犬 庭 放し飼い トラブル

隣の家の飼い犬が脱走して、犬歯を剥き出しにされて怖かった話

 

犬 庭 放し飼い トラブル

 

女性 30代 ハンドルネーム:リッキー

 

私が小学生の時のお話です。私は一軒家が並ぶ住宅街に住んでいました。隣の家では中型のミックス犬を庭で放し飼いにしていました。人にあまり慣れていないのか人に吠えることも多く、時には敵意を剥き出しにして激しく吠えることもありました。

 

 

小学生だった私は、吠えられると怖いと思っていたくせに、犬が落ち着いている時は頭を撫でたりもしていました。名前を呼ぶと尻尾を振って近くまで寄って来てくれました。犬も頭を撫でられるのは嬉しいのか、おとなしく触らせてくれる日もあったんです。

 

 

ところがある日、小学校から帰って来ると、家の前に何かがいました。当時の私は目が悪かったので最初何だかわかりませんでしたが、家のすぐ近くまで来て、その何かが隣の家の犬だとわかりました。縦格子の柵を飛び越えて脱走していたのです。犬の飼い主は共働きで家には誰もいませんでした。

 

 

脱走している時の犬は気が立っているのか、近づこうとすると追いかけて来ます。犬歯を見せて威嚇することもありました。私の家はすぐそこなのに、犬の前を通るのはとても危険です。仕方なく元来た道を戻り、少し遠回りをして反対側からそーっと家に近づき、無事に帰宅できた・・・なんてことも1回や2回ではありませんでした。

 

 

近くの公園で行われる夏祭りの準備をするため住宅街の子供達が公園に集まっていた時にも、隣の家の犬は脱走していました。いつもよりも通りを行き来する人が多く、犬も気になるのかウロウロしていました。犬の機嫌が悪いことは一目見ればわかりました。

 

 

威嚇するように犬歯を剥き出しにしたり、犬に近づこうとする人には追いかけるような仕草を見せたり、目が怖いくらいに睨みつけたりしていました。子供達が先に集まっていたせいで大人はまだ誰1人として公園には来ていませんでした。私も集合時間が迫っていたので犬がうろつく近くを通らなければならず、でも犬の様子がいつも以上に興奮気味だったこともありなかなか先に進めずにいました。

 

 

私が困って犬の様子を窺っていると、同級生の男の子が道の端を歩いて犬の横を通り抜けようとしました。犬は怒ったような表情でその男の子を追いかけ、近くにいた男の子の友達も一斉に逃げ出すということが起きました。最初に追いかけられた男の子も友達も足が速く、ちょうど逃げこめる場所があったことで誰も大きなケガをすることはありませんでしたが、最初に追いかけられた男の子がおしりをかすめるように噛みつかれたんです。

 

 

噛みつかれた男の子は「大丈夫、平気平気〜」と言っていましたが、犬はまだ興奮状態だったのでまた子供達を追いかけ回すんじゃないかとヒヤヒヤしました。小型犬なら小学校高学年の子供なら何とかおとなしくさせることはできるでしょうが、今回脱走していた犬は中型犬なので体も結構大きいです。そんな犬が敵意剥き出しで自分に走って向かって来たら怖くて立ちすくんでしまうでしょう。

 

 

しばらくすると犬は疲れたのか、犬の家の駐車場に伏せて寝始めました。そうすると、わざとちょっかいを出したりしなければ犬も追いかけたりはしません。私もようやく夏祭りの準備に向かうことできました。夜になって飼い主が帰宅すると、夏祭りの準備に来ていた大人や噛みつかれた男の子の親から事件のことを聞いたのだと思います。

 

 

庭を自由に行き来していた犬は、丈夫な鎖に首輪を繋がれていました。首輪を鎖に繋ぐのは以前からもやっていたようですが、脱走していた時は首輪が外れていました。首輪の調節や新品の購入、鎖もより丈夫な物への交換などを行い、脱走できないように工夫してくれました。

 

それからは犬の脱走もなくなり、数年後には犬はいつの間にかいなくなっていました。虹の橋を渡ったのか、誰かに譲ったのかはわかりません。私が両親に聞いても、両親も知らない様子でした。

 

 

犬を飼うということは、一歩間違えれば誰かを傷つけてしまうことがあり、その責任はもちろん飼い主が負います。私の経験した場合は大きなケガもなく済みましたが、何かあってからでは遅いのです。今回の件も、ご近所トラブルに発展した可能性だってあります。犬を飼うことは簡単ではありません。人も犬も幸せに暮らせるように努めなければ、飼う資格はきっとないのだと思います。

 

 

 
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