狂犬病 予防注射 必要

狂犬病の予防接種をしていない犬に咬まれて恐怖した小学3年生の夏

 

室内犬 狂犬病予防注射

 

私は50代男性で、ハンドルネームは小吉といいます。

 

私が子どもの頃には番犬として犬を飼い、中には放し飼いにしている家も普通にありました。事件があったのは小学3年生の時です。

 

それは夏休みのある日の事で、私は自由研究の課題として昆虫採集を選び、虫取りをしていました。特にその時は蝶に夢中になっていて、近所を走り回っていました。古くからの一軒家が不規則に並ぶ住宅街での事です。

 

 

突然、首輪をした雑種の中型犬が興奮したように吠えながら駆け寄ってきます。初めはただじゃれているだけなんだろうと思ったのですが、歯をむき出しにして唸り声を上げ、「まずい!」と思った時にはもう飛びかかってきました。

 

 

体の小さかった私は転倒してしまい、なおも襲いかかってくる犬から身をかばおうと、突き出した右手を、その犬に咬まれてしまいました。もちろん甘噛みなどではなく、歯の並び通りに、血が滲みました。近くを通りかかった知らないおじさんが、異変を察知して駆けつけ、犬の首輪をつかんで地面にねじ伏せました。

 

 

すぐに大騒ぎとなり、近所の人が集まってくると、飼い主も現れました。泣きながら私が咬まれたと訴えると、その人は「番犬なのだから不用意に手を出せば咬まれるに決まっている」みたいな言い方をしました。「不用意に手を出したりはせず勝手に犬が襲ってきた」と反論しても聞く耳を持ちません

 

 

たまたま顔見知りのおばさんがいて、その人が飼い主を強くたしなめて、確認するように「狂犬病の予防接種はしているわよね?」と尋ねました。ところが飼い主はぶっきら棒に「そんなものはしていない」と答えました。それを聞いてあわてたおばさんは、すぐにパートに出ていた私の母に連絡をとり、私はそのおばさんの車で病院に連れていかれました。

 

 

幸い、咬み傷だけで、他に問題はなかったのですが、医者からは破傷風の危険性だとか、狂犬病の怖ろしさを聞かされて、正直なところ泣きそうになりました。パートから急いで戻ってきた母が、おばさんや私から事情を聞くと、すぐに飼い主の家に怒鳴りこみました。しかし謝罪のひとつも無かったそうです。

 

 

 

更に怒った母は、飼い主を警察に訴えて、犬の方は保健所で殺処分してもらうと宣言しました。すると飼い主はようやく非を認めて謝ったそうです。結局は、かかった医療費などを支払う事と、犬にはちゃんと予防接種をする事を条件に決着がつきました。その後、その飼い主は放し飼いを止めましたが、家を訪問した人を咬んだという話もありトラブルは続いていたようです。

 

 

 

私は、今でも咬まれたのと、狂犬病の怖ろしさとがトラウマになり、犬は苦手です。さすがに今は犬を放し飼いをする方はいないでしょうが、人を咬んだり他所の犬を咬んだりするトラブルは多いと耳にします。以前、しつけの専門家に聞いた話によれば、犬が何らかの病気でイライラしているか、飼い主のしつけの問題だとの事でした。

 

 

 

いくら飼い主にとっては可愛いコでも、ただ甘やかすとか、放っておくのではなくて、ちゃんとしつけないと、他の人や犬がたくさんいる社会には不向きだと思います。それは犬の責任ではなく、飼い主の責任です。そして万が一、トラブルとなった場合には、素直に非を認めて、謝罪してください。二年ほど前に「甘噛みだから」と言って、飼い犬が他の人を噛んでも気にしない飼い主に会いましたが、甘噛みであっても犬が苦手な人やそれほど好きではない人にはひどく迷惑です。

 

 

また最近は室内犬だからという理由で犬の予防接種をしない飼い主が増えていると聞きます。ネットで検索してもわかる通り、狂犬病は発症してしまうと、もう手のほどこしようがない、とても怖ろしい病気です。日本では長らく発症例がないとはいえ、世の中に絶対という事はありません。中国や東南アジアの国々では毎年、かなりの数の患者が発生しています。何らかのきっかけで、再び日本でも流行するかもしれません。

 

 

飼い主ならば、可愛いその犬を守るためにも、しっかり予防接種はして欲しいものです。

 

 
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