「うちの子のフィラリア予防しなくちゃ。でも、動物病院で買うと高いのよね」
「フィラリア予防薬ってどんな種類があるんだろう?」
「フィラリア以外にも犬の寄生虫を駆除したいな」
「通販でフィラリアの薬を買いたいけど、どこで買えるんだろう」
「フィラリア予防薬って楽天やヤフー、アマゾンで買えるの?」
犬を飼っている飼い主さんなら、誰しもが一度はこんな思いをしたことがあるのではないでしょうか? 当サイトの管理人も犬を飼っていて、犬のフィラリアについていろいろ調べていました。すると、フィラリアの薬にもいろんな種類があることや、それぞれのフィラリア予防薬に特色・特長があることがわかり、とても興味を引かれました。
フィラリアの薬は動物病院で購入するのが一般的ですが、通販(個人輸入)でも購入することも出来るんです。ネットでフィラリア予防薬を購入する際、何か選択する基準となる指標があれば分かりやすいと思い、フィラリア予防薬に特化したこのサイトを立ち上げました。
フィラリア予防薬の選択や購入で迷っている、あなたのお役に立てれば幸いです。
フィラリア予防薬の選び方はいろいろあります。
商品名で選ぶ以外に、何を重要視するかで選択肢が違ってきますよ。
フィラリア予防は必要?
「うちの子は蚊に刺されることは無いからフィラリア予防する必要がない」
「フィラリア予防ってしなくちゃいけないものなの?」
なんてこと、思っていませんか?
考え方は人それぞれですが、絶対蚊に刺されないともいえません。
もしフィラリアの感染幼虫を持った蚊に吸血されてしまったら、フィラリア薬を(定期的に継続して)飲ませていないと、体内でフィラリアの幼虫が育ってしまいます。そして、最終的には心臓へ到達し、♂と♀のフィラリアがせっせ仔虫を産出してしまいます。
百聞は一見に如かずということで、次の動画をご覧ください。
犬はもちろん、なぜ猫もフィラリア予防をする必要があるのか理解しやすいかと思います。
犬のフィラリア予防
猫のフィラリア予防
あなたの愛猫は大丈夫?猫も罹るフィラリア感染症とフィラリア予防のお話
フィラリア予防薬を飲ませる前のフィラリア検査は必須
「フィラリア検査なんて獣医が儲けのためにやってるだけでしょ」
「フィラリア検査なんて去年やったから必要ないよ」
「フィラリア検査って必要なの?」
なんて否定的な考えは払拭してください。
フィラリア検査の料金は動物病院によって違ってくるので高いところもあるでしょう。
わざわざ動物病院へ行く必要もありますが、結局のところあなたの愛犬のために必要なことですからね。
フィラリア予防薬を投薬(服用、滴下)する前には必ずフィラリア検査を動物病院で受けてください。フィラリア検査は血液を採取し、いろんな検査方法でフィラリアの有無を調べる血液検査ですから、動物病院でしか行えません。
毎月せっせとフィラリア薬を愛犬に飲ませていたとしても、飲ませるのを忘れたりしてズレたりすると30日の等間隔ではなくなりますよね? 蚊に吸血されてミクロフィラリアが犬の体内に入っていたなら、フィラリア薬の投薬忘れや投薬日の大幅なずれでフィラリア幼虫が駆除されずに成長し、最終的には心臓に巣くってしまいます。
それを知らずにフィラリア薬を飲ませてしまったなら、最悪の場合犬が死んでしまいます。
フィラリア薬は“予防”薬といわれることが多いのですが、実のところ予防ではなく駆除薬なんです。蚊に刺されたことで感染したかもしれないフィラリアの幼虫を駆虫するのです。
「フィラリアの感染サイクル」をご覧いただくと、フィラリア薬の飲ませ忘れや投薬日がズレてしまうことが大変なことだとお分かりになるでしょう。
動物病院によってフィラリア検査の方法が異なりますが、いくつかの方法を組み合わせてフィラリア検査を行う動物病院が多いようです。フィラリア検査の方法には、フィラリアの親虫(成虫)の有無を調べる方法とフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)の有無を調べる方法とがありますので、それぞれの検査方法について書いてみますね。
フィラリアの検査方法
抗原検査
抗原検査は心臓に寄生している親虫の有無を調べる方法で、フィラリアの雌成虫が出す分泌物を抗原とします。採った血液を検査キットに滴下し、キットに出た反応で判定します。
寄生している親虫が雄だけであったり、フィラリアが未成熟であったり、寄生数が数匹程度なら、検査結果が陰性となってしまいます。抗原検査で陽性が出た場合、血液中にどれくらいのミクロフィラリアがいるのかを調べるためミクロフィラリア検査が必要となります。
直接法
直接法は血液中のミクロフィラリアの有無を調べます。
採った血液をスライドガラスに薄く伸ばし、顕微鏡下でミクロフィラリアの有無を調べ判定します。フィラリアに感染していると、ミクロフィラリアがウネウネしているのが見られますが、血液が乾く前に観察する必要があります。
また、急ぐあまりミクロフィラリアの存在を見落としてしまう、スライドガラスにのせた血液量が多いと観察しずらいこともあるので、この直接法だけでの検査はしません。
ヘマトクリット法
ヘマトクリット法は血液中のミクロフィラリアの有無を調べますが、直接法よりミクロフィラリアの検出率が高い方法です。ヘマトクリット管という細長いガラス管に、採った血液を毛細管現象を利用して入れて遠心分離し、遠心分離したヘマトクリット管を顕微鏡で見てミクロフィラリアの有無を判定します。
アセトン集虫法
アセトン集虫法も遠心分離を利用したミクロフィラリアの検査方法です。
採った血液を遠沈管に入れ、さらに試薬(染色液)を加えて遠心分離します。遠沈管の底の沈殿物を何度か洗浄して、沈殿物を顕微鏡で調べてミクロフィラリアの有無を判定します。
フィルター集虫法
フィルター集虫法は検出率の高いミクロフィラリアの検査方法です。
検査には専用の検査キットを用います。採った血液を希釈液で薄めてからフィルターに通し、フィルターに引っかかってくるミクロフィラリアの有無を判定します。
血液中に存在するミクロフィラリアの数が少ない場合、検査用に採血した少量の血液では検出されないことがあります。
フィラリア予防薬を飲ませるのはいつからいつまで?
フィラリア予防薬には、「予防」と付いていますが、実は予防薬ではなく駆虫薬なんです。
フィラリア予防薬を飲ませた・投与したからと言って、フィラリアを予防するのではなく、フィラリアの感染幼虫を持っている蚊に血を吸われたとして、その際に犬の体内に入ってきたフィラリア幼虫を駆除するんですね。
蚊に吸血された後にフィラリア薬を飲ませることになりますので、蚊の発生(蚊が見え始めてから)〜蚊が見えなくなってから1か月後までの間、フィラリア予防薬を飲ませる必要があると理解されておくといいでしょう。11月まで蚊がいた場合は12月まで続けるということになりますね。
下のフィラリアの感染サイクルをご覧ください。
フィラリア薬の投与開始がなぜ蚊が発生してからなのか、なぜ蚊が見られなくなった後までフィラリア薬を飲ませる必要があるのか、ご理解頂けるのではないでしょうか。
もちろん、地域によって気温差がありますから、例えば北海道と沖縄とでは蚊の発生時期が全く違ってきます。当然、沖縄のような暖かい地域では1年中飲ませる必要がありますし、北海道では飲ませる期間が短くなります。
フィラリアの感染サイクル
@蚊がフィラリアにすでに感染している犬(フィラリア陽性)の血を吸った際に、蚊の体内にミクロフィラリア(L1)が入ってきます。
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Aミクロフィラリアは、2週間程度で蚊の体内で発育・成長を繰り返し(L2、L3)、感染幼虫(L3)になります。
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B蚊が他の犬の血を吸った際に、感染幼虫(L3)が犬の体内に入ってきます。
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C犬の体内に入った幼虫(L3)は10日程でL4幼虫に成長し、皮下織や筋肉の中で約2か月かけて成長します(L5)
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D幼虫(L5)は血管内に侵入し、その後心臓や肺動脈に寄生します。
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E発育を繰り返し、3〜4か月の後成虫となり、雌雄が揃うとミクロフィラリア(L1)を産み始めます。
フィラリア予防薬はL3〜L4幼虫を駆除することで、L4幼虫が成長してL5となった幼虫の血管内への侵入を防ぎます。上の感染サイクルの中ではフィラリア薬の投与がCとDの間となってますが、薬を与えるタイミングは人それぞれですので、BとCの間にフィラリア薬の投与日がくる場合もあります。
繰り返しになりますが、フィラリア予防薬が駆虫できる期間は、フィラリア幼虫が犬の体内に入ってから1〜1.5か月以内なんですね。なので、フィラリア予防薬の投与を開始する時期は蚊が発生し始めた1か月後からで、投与を終えるのは蚊が見えなくなってから1か月後となります。
犬がフィラリアに感染する期間を地域別に予想してみると
フィラリアに感染する期間は47都道府県全てにおいて同じではありません。
例えば北海道の北見だと、フィラリアに感染する期間が7月中旬から9月下旬頃であるのに対し、沖縄では2月上旬から12月下旬頃までとなっています。
暑い地域と寒い地域とで比べると、極端なほど違いがわかりますよね。では、あなたがお住まいの地域では、フィラリアの感染期間はどれくらいのものなのでしょうか。
DSファーマアニマルヘルスのホームページに、「全国犬のフィラリア感染期間の目安」というページがあります。日本全国の地図が表示され、ご自身の地域を選んでいただければ、フィラリア感染期間の目安を知ることができます。
全国犬のフィラリア感染期間の目安(DSファーマアニマルヘルス)
ここでは、HDUというものを使ってフィラリア感染期間を予想しています。
「HDU ( Heartworm Dvelopment hiat Unit )とは、犬フィラリアを媒介する蚊の体内でフィラリア幼虫(ミクロフィラリア)が成熟するために必要な積算温度の単位です。HDUを算出することによって、犬フィラリア症が感染する期間を推定することができます。」
HPより引用
主要都市のフィラリア推定感染時期
フィラリア感染期間の目安について、東京、神奈川、福岡、大阪を調べると次のようになりました。
都道府県ごとにフィラリア感染期間の目安があるので、ぜひ、ご自身の地域でも調べてみて愛犬のフィラリア予防にお役立てください。
フィラリア予防薬の飲ませ忘れには要注意
「フィラリア予防薬を飲ませ忘れちゃった・・・」
「去年の分が残っているけど、大丈夫かなぁ」
「フィラリア薬を飲ませる時期はいつからいつまで?」に書いていますが、フィラリア予防薬はフィラリアの L3〜L4幼虫を駆除します。つまり、L4が L5に成長し、血流に乗って心臓へ至る前に駆虫します。しかし、フィラリア予防薬を飲ませ忘れてしまったとか、投薬する間隔が空いてしまった時は要注意です。
蚊に吸血された時に犬の体内に入ってきたフィラリアのL3幼虫が成長し、L5幼虫となって血管内へ侵入してしまいます。フィラリア予防薬は血管内に入った幼虫を殺せないので、フィラリア幼虫はそのまま血流に乗って心臓や肺動脈へ至り巣食ってしまいます。
フィラリア予防薬を投与するということは、飲ませたその日から1か月さかのぼった日から飲ませた日までの間に、蚊に吸血された時に入って来たかもしれないフィラリア幼虫を殺すということなので、飲み忘れたり間隔が空いてしまうと、その間にフィラリア幼虫が成長してしまうのです。
フィラリア幼虫の成長(L3からL5へ)は約2か月あるので、1週間程度の遅れなら大丈夫といえますが、2か月以上も間隔が空いてしまった場合はフィラリアが心臓へ寄生していることもありますので、その場合は動物病院で獣医師に相談してください。
心臓にフィラリアが寄生している状態でフィラリア予防薬を飲ませてしまうと、成長したフィラリアが産出したミクロフィラリアがフィラリア薬によって死滅し、それによって血管が詰まったり、犬がショック症状を起こして死亡してしまうこともあります。