ドロンシットは条虫類の駆除だけに特化した駆虫薬!だから線虫類の駆除は×
内容量 : 20錠
価格 : 4,929円
品名 : ドロンシット (Droncit)
メーカー : バイエル (Bayer)
内容量 : 20錠
成分 : プラジクアンテル
対象動物 : 犬、猫
効果 : 条虫類の駆除
ドロンシットとドロンタールの違いは、条虫類以外の寄生虫が駆除できるか否かということです。ドロンシットとドロンタール(プラス or キャット)の配合成分はそれぞれ異なります。下をご覧ください。
ドロンタール = プラジクアンテル
ドロンタール Cat = プラジクアンテル + パモ酸ピランテル
= ドロンタール + パモ酸ピランテル
ドロンタール プラス = プラジクアンテル + パモ酸ピランテル + フェバンテル
= ドロンタール Cat + フェバンテル
ドロンタールにパモ酸ピランテルが加わったものがドロンタール Cat、ドロンタール Catにフェバンテルが加わったものがドロンタール プラスであることがわかりますね。
ドロンシットとドロンタールでは、駆除できる寄生虫の種類も違ってきます。
ドロンシットは条虫類のみの駆除となりますが、ドロンタールは条虫類プラス線虫類の駆除が可能となります。配合成分が増えるにつれ、駆除が可能な寄生虫の数も増えてますね。ちなみにですが、プラジクアンテルは吸虫類の駆除も可能なんですよ。
ドロンシット | ドロンタール プラス | ドロンタール Cat | |
---|---|---|---|
剤 型 | 錠 剤 (タブレット) | ||
対象動物 | 犬、 猫 | 犬 | 猫 |
対 象 外 |
離乳していない |
2週齢未満 |
4週齢未満 |
寄 生 虫 |
条虫類 |
犬回虫 |
猫回虫 |
成 分 |
プラジクアンテル |
プラジクアンテル |
プラジクアンテル |
ドロンシットは条虫だけをターゲットとしている駆虫薬です。
オールラウンダーな駆虫薬が多い中、ある種の寄生虫だけを駆除することに特化している、というのも興味深いですよね。内部寄生虫薬の中ではドロンシット以外にありませんので。外部寄生虫薬に目を向けると、ドロンシットと同じ立ち位置の駆虫薬があります。
ノミだけを駆除するキャプスター。プログラムA錠という名で販売されていますよね。
ドロンシットやキャプスター、どちらもピンポイントで特定の寄生虫を駆除したいってときに重宝します。両者ともに製薬会社のメーカー品で、キャプスターはノバルティス、ドロンシットはバイエルの製品です。錠剤で経口投与させるという点も共通していますね。
キャプスターとドロンシット、どちらもジェネリックは、今のところありません。
ドロンシットの犬や猫への与え方は下記の通りです。
ドロンシットは 50r/錠 のプラジクアンテルを含有しているので、テーブルをみると 3〜10mg/kgの用量で条虫類(吸虫類も)の駆除が可能であることがわかりますが、ある種の条虫と吸虫に関しては、体重1kg あたりのプラジクアンテルを増量する必要があります。
ドロンシットの飲ませ方と用量
通常、1回下記量を経口投与するか食餌に混ぜて投与する。
体 重 | 動 物 | 投 与 量 |
---|---|---|
〜 5 kg | 犬、猫 | 1/2 錠 |
5 kg 〜 15 kg | 犬 | 1 錠 |
15 kg 〜 30 kg | 犬 | 2 錠 |
30 kg | 犬 | 3 錠 |
※ 裂頭条虫類の駆除には、プラジクアンテル 30mg/kg (体重5kg当たり3錠)を投与。
裂頭条虫類は、通常よりも 6倍量のプラジクアンテルを投与しないと駆除できません。
マンソン裂頭条虫は、犬や猫がカエルやヘビを捕まえて食べてしまうことで感染します。
野外で活動することの多い猫ならば、よりマンソン裂頭条虫の感染に気をつけないといけません。また、壺型(つぼがた)吸虫はマンソン裂頭条虫と第二中間宿主を同じとしますから、壺型吸虫の同時感染にも注意が必要です。
日本海裂頭条虫も裂頭条虫類の一つですが、もし仮に犬や猫が日本海裂頭条虫に感染しても体内での発育が悪いので、臨床上の重要度が低いとされています。
ドロンシットの添付文書に吸虫の記載はありませんが、ドロンシットで駆除が可能な犬や猫が感染する機会の多い吸虫類も一緒に載せてみました。吸虫類の駆除には、通常(だいたい 5mg/kg)の 5倍量のプラジクアンテルが必要です。
寄 生 虫 | 中 間 宿 主 | |
条 虫 |
瓜実条虫 | ノミ |
マンソン裂頭条虫 |
第一中間宿主 |
|
メソセストイデス属条虫 |
第一中間宿主 |
|
猫条虫 | ネズミ類 | |
多包条虫 | ネズミ類 | |
吸 虫 |
肺吸虫 |
第一中間宿主 |
つぼ型吸虫 |
第一中間宿主 |
|
横川吸虫 |
第一中間宿主 |
参考:獣医寄生虫学・寄生虫病学 講談社サイエンティフィク
犬や猫が寄生虫感染していることはわかっている。でも、何の寄生虫かわからないって場合は少なくありません。犬や猫のウンチの中に寄生虫を見つけた、犬や猫の寄生虫感染が疑われるってときは、先ずは動物病院で寄生虫検査を受け診断してもらってくださいね。
上記の通り、マンソン裂頭条虫や吸虫類の駆除には通常の投与量以上のプラジクアンテルを投与しないと駆除できません。錠剤タイプの薬だと用量の調節が難しい場合が多いので、獣医師と相談の上で投与するか、ドロンシットの注射剤を打ってもうらうといいでしょう。ドロンシットの注射剤も一回の投与で済みますよ。
犬に比べると、猫への経口投与は難しいことが多いです。
ドロンシットに限らず、猫の駆虫薬でスポットタイプが多いのはそのためですね。猫の条虫駆虫でドロンシットを投与するなら注射の方がいいかもしれません。犬や猫どちらにおいてもドロンシットの効果は注射であろうが錠剤であろうが変わりません。
ドロンシットの投与方法が違っても条虫に対する効き目は同じで、駆除された条虫が犬や猫の体外に排出される時間はほぼ同じであると報告されています。
「犬と猫の条虫に対するプラジクアンテル注射剤の駆虫効果」 日本小動物獣医学会
ドロンシットの副作用に一過性の嘔吐、流涎(唾液分泌)、下痢、食欲不振などが挙げられますが、プラジクアンテルは安全性が高い成分なのです。というのも、ドロンシットの副作用が見られるのは一部の犬や猫であり、粘液性の下痢に関しては、薬の作用で死んだ虫によるものとされていて、自然に回復するということが報告されているからなんです。
ドロンシットの成分プラジクアンテルには苦みがあります。
薬が苦手な子だと、ドロンシットをそのまま飲ませてしまうと吐き出してしまう可能性が高いので、オブラートに包むなり口当たりの良い何かに混ぜるなりして飲ませてあげてくださいね。離乳していない子犬や子猫への使用はNGです。
画像引用:バイエル 小動物獣医療関係者向け情報
ドロンシットを使用する際の注意点
プラジクアンテルは溶液の状態によっては皮膚から吸収されることが知られているため、
分割投与する場合は薬剤が投与者の皮膚に触れることのないように注意する。
載せているドロンシットの値段は個人輸入を利用した場合の通販価格です。
ご参考ください。
内容量 : 20錠
価格 : 4,929円