犬猫用虫下し(駆虫薬)の成分で優秀なのはフェンベンダゾール?!
駆虫薬の成分として使われているものには、それ単体でいくつもの蠕虫(ぜんちゅう:線虫、条虫、吸虫)を駆除できるもの、それ単体だけだと例えば線虫のみといった駆虫対象が限定されるもの、それだけで原虫や細菌といった微生物に効果的なものがあります。
このサイトは犬や猫のお腹に寄生する病原微生物を駆除・駆虫する薬を紹介していますので、下に載せている表の中で重視する成分はC以外となります。Cは外部寄生虫の駆除剤ですね。理想的なのは@からDまですべての病原微生物を網羅できる成分です。
モキシデクチン、 ミルベマイシンオキシム、 パモ酸ピランテル、
フェバンテル(鞭虫)、 エモデプシド、 エプリノメクチン、
セラメクチン、 フェンベンダゾール クエン酸ピペラジン(※)
エモデプシド
※クエン酸ピペラジンは回虫のみに作用するが殺虫効果は無い
プラジクアンテル、 フェンベンダゾール
プラジクアンテル、 フェンベンダゾール
ノミ・マダニの駆除
イミダクロプリド、 スピノサド、 フィプロニル、 セラメクチン
未成熟ステージの発育阻害(幼虫の変態・虫卵の孵化)
S-メトプレン、 ルフェヌロン
メトロニダゾール、 フェンベンダゾール、 トルトラズリル
しかし、そのような成分が存在しないので、@からDすべてを駆逐するとすれば何種類かの成分を組み合わせて使うことになります。ノミやダニといった外部寄生虫を度外視すると、フェンベンダゾールだけで十分でしょう。主要な病原微生物をカバーできますから。
フェンベンダゾールは動物用医薬品なのですが、末期がんに侵された米国の男性が使ってガンが治ったという話題(??)の成分です(引用文)。駆虫できる寄生虫や微生物の幅が広いこともあり、フェンベンダゾールはとても魅力的な成分に思えませんか?
フェンベンダゾール以外の成分で、配合されているといいのがプラジクアンテルです。
条虫と吸虫の両方に効きますからね。回虫や鉤虫、鞭虫といった線虫類も駆虫すべき寄生虫ですが、条虫類や吸虫類も見逃せません。犬や猫が感染していると人にもうつることがあるので外せない寄生虫です。
余談になりますが、プラジクアンテルはバイエルが開発したものなんですよ。
「プラジクアンテルの代謝・排泄は複数の実験動物種で、24 時間以内に80-90%以上が排泄されるように速やかである」(プラジクアンテル - 厚生労働省)とのことです。
「犬と猫の駆除したいお腹の虫(回虫・条虫等)で選ぶ虫下しの種類」のページで、各寄生虫薬で駆除できる病原微生物を表で示しています。販売元が提示している薬の効果効能を参考に作っているので、もしかすると「んっ?記載漏れ?」と思う箇所があるかもしれません。
使おうとしている・使っている駆虫薬の成分がどの病原微生物に効果的であるのか理解しておくと、成分名をみて「ああ、載ってないけど●●にも効くのね」と判断できるようになって便利ですよ。
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