犬 うんち 白い虫

回虫ってどんな虫?

 

 

犬や猫が排泄した後、うんちを片付けようとしたら糞の中に白くて太い10〜20pくらいの長いものを見つけてしまったり、まだまだ幼い子犬が嘔吐した時、吐物の中にニョロニョロと蠢く白くて細長い虫が入っていた、なんて経験はしたことありませんか? 見つけてしまった時には、気味の悪さにギョッとしてしまいますよね。

犬回虫について説明している女の子

 

 

この虫は回虫なんです。犬に寄生する回虫を犬回虫(Toxocara canis)、猫に寄生する回虫を猫回虫 (Toxocara cati) と言って、どちらも成犬もしくは成猫に寄生しても通常は無症状なんですが、幼い犬猫に回虫が寄生すると、寄生数が多いほど症状が酷くなってしまうんです。

 

 

犬回虫はイヌ科動物の小腸に寄生しますが、ネコ科動物には寄生しません。また、猫回虫はネコ科動物の小腸に寄生するものの、イヌ科動物には寄生しないんです。回虫は宿主特異性が強いので、それぞれの回虫が特定の動物に寄生しますが、人が犬回虫の卵(幼虫を有した幼虫包蔵卵)を摂取してしまい、寄生が成立してしまったとしても、人は犬回虫にとっての本来の宿主ではないので、犬回虫が人の体内で成長することができません。

 

 

犬のトキソカラ症の原因となる回虫

すると、犬回虫の幼虫は人の体内で居場所を探し求めて動き回る(迷走する)ことになります。幼虫が目に侵入した時は眼幼虫移行症が、主要な臓器に侵入した時は内臓幼虫移行症といった、犬回虫や猫回虫を原因とする人の寄生虫病(トキソカラ症)になってしまいます。怖いですね。

 

 

 

犬回虫(Toxocara canis

 

犬は、@成熟した犬回虫卵の経口摂取、A犬回虫に感染した中間宿主の犬の捕食、B母犬から胎子への胎盤感染、C母犬からの哺乳(乳汁感染)によって、犬回虫に感染します。

 

 

犬回虫の卵

犬回虫は犬の小腸に寄生するのですが、成犬だと犬回虫が寄生していても無症状であるのに対し、幼犬だと犬回虫の寄生で死亡することもあるんです。

 

また、犬回虫の成虫が寄生するのは幼犬に多く成犬に少ない理由として、犬回虫は成犬の体内では成虫になることはできず、生後 5ヶ月以内の仔犬の体内でのみ成虫になれるという不思議な特徴をもつからなんですよ。

 

 

自然環境下だと、犬回虫は胎盤感染によって新生子犬にほぼ100%感染するので、生後3週齢以下の子犬のうんちの中に虫卵が検出されなかったとしても、腸管内に未成熟の犬回虫が寄生していると考えるといいでしょう。

 

犬回虫寄生犬の 85.7%は 1〜2か月齢の幼犬です。犬回虫には年齢抵抗性があり、6か月齢以下の幼犬に高度に感染が認められていて、食欲不振や発育不良、粘膜蒼白、下痢、嘔吐、時に虫体を吐出するといった症状も激しく現れるんです。

 

 

回虫が寄生することによって病気に対する抵抗性が低下してしまいます。他の病気を併発しやすく、それでいて病態を著しく悪化させるので犬回虫の寄生はやっかいですが、実は駆虫は容易なんです。回虫を駆除する薬には、駆虫効果が高いものが多数ありますからね。

 

 

犬回虫の駆虫はもちろんですが、寄生されないために予防も大事です。虫卵の中に幼虫を形成した成熟回虫卵は環境条件や薬品類、低温に対して強い抵抗力を持つものの、高温や感染に対しては比較的抵抗力が弱く、また、回虫卵は糞便と共に排泄されてから成熟までにある期間を必要とするので、糞便の処理と乾燥を保つことで予防することができます。お散歩のときは愛犬が排泄したうんちをしっかり拾いましょうね。

 

 

猫回虫 (Toxocara cati)

 

犬回虫ほどではありませんが、猫回虫についても少し解説致します。

 

猫回虫の感染は、@成熟虫卵の経口感染、A待機宿主の捕食による感染、B母乳感染によって起こります。犬回虫と違うのは、胎盤感染が無いということです。

 

先述したように、猫回虫はネコ科動物の小腸に寄生するものの、イヌ科動物には寄生しないという宿主特異性があります。成猫が猫回虫に感染しても通常は無症状ですが、幼猫に大量感染してしまうと、致死的となってしまいます。

 

外出することの多い猫だと、外で小動物を捕まえて食べてしまうことで猫回虫に感染することも考えられます。捕食を阻止するのはなかなか難しい話ですが、そんな時は定期的に駆虫してあげるといいですね。

 

犬や猫の腸管内に寄生する虫について正しい知識を身につけませんか?

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