パナクール

パナクールも他のフェンベンダゾール製剤に負けない駆虫効果と抗腫瘍作用

 
パナクール パナクール

品名 : パナクール KH(Panacur KH)
メーカー : MSD Animal Health
内容量 : 10錠
成分 : フェンベンダゾール
対象動物 : 犬、猫
効果 : 犬) 回虫、鉤虫、鞭虫、条虫の駆除
    猫) 回虫、鉤虫、線虫、ジアルジア、肺虫、条虫の駆除

 

 

パナクールはフェンベンダゾールを成分とする犬と猫の駆虫薬ですが、パナクールという商品名よりも、物質名のフェンベンダゾールの方が認知度が高いのではないでしょうか。

 

フェンベンダゾールはベンズイミダゾール系の駆虫薬です。本来はペットや家畜の駆虫を目的として使われている動物用医薬品なのですが、「ある種の虫下し薬に抗がん作用がある」ということがわかってから、フェンベンダゾールに関心が高まっているのです。

 

 

全身にがんが転移し、「余命は3か月程度」との宣告を受けた何某ジョーさんというアメリカ在住の男性が、犬用の駆虫薬を使った実験療法を行ったところ、3か月後には癌がきれいに消滅していた。これは2016年の話です。

 

「虫下し薬が「がん」に効く? メタボローム解析でがんが回虫と同じ代謝を使うことを示唆」

 

「国立がんセンター東病院の江角浩安病院長らが、虫下し薬が悪性のがん細胞も死滅させることを2004年に発見」

慶応義塾大学先端生命科学研究所の記事(2009.05.20)

 

 

ジョーさんの話よりも先に、動物用のフェンベンダゾールに人間に対する抗がん作用のあることが示唆されていました。

 

小腸に寄生する回虫は、酸素に乏しい小腸に入ると特殊な代謝を使ってエネルギーを生産する。ある種の虫下しは、この特殊な代謝を特異的に阻害する。癌細胞は、血管がなく酸素が乏しい環境下でも活発に増殖するため、回虫と似た代謝を使っているのではないか。

 

だから、ある種の虫下しは悪性の癌細胞も死滅させる可能性がある、ということです。

 

 

とはいえ、フェンベンダゾールを始めとするベンズイミダゾール系の薬剤がヒトと動物に承認されているのは駆虫薬として、なのです。悪性腫瘍に対する治療については治験中、もしくは治験申請中の段階であり、さらにはフェンベンダゾールの効果について懐疑的な医師もいるということを理解されておくといいでしょう。

 

 

パナクール パナクール

 

 

パナクールは動物病院で処方される場合がほとんどなのですが、実は他にも入手方法があるのです。パナクールと同じくフェンベンダゾールを成分とする駆虫薬は他にもいくつかあり、「safe-guard:セーフガード」「panacurC:パナクール C」「fenbendazole」であれば、通販サイト大手の amazon に商品が載っています。

 

楽天でパナクールやフェンベンダゾールと検索してもヒットしませんでした。

 

フェンベンダゾール セーフガード フェンベンダゾール Safe-Guard フェンベンダゾール パナクール

画像引用 : amazon

 

 

しかしながら、どれも米国や欧州からの取り寄せになってしまい、しかも商品によっては日本への販売が中止されているなど入手が難しい場合があるので、動物病院以外で購入する場合は個人輸入を利用することになってしまいます。ちなみにですが、セーフガードやパナクールCは粉状・顆粒状で、グラム単位で分包されています。

 

 

余談ですが、豚用の寄生虫駆除剤として、共立製薬が「KS(フェンベンダゾール 1%、2% 散)」を、Meiji Seika ファルマ株式会社が「メイポール10」を販売しています。
やはり家畜用なので、どれも1袋 20kg入りの大容量となってます。

 

 

 

このページで紹介している「パナクール」は錠剤です。

 

フェンベンダゾールを成分とする駆虫薬は他にもあり、薬剤がペースト状なのは「パナクール オーラルペースト」、液状なのは「パラゾール」です。パナクールと名前がついている薬は、どちらもメーカーはMSDなのですが、パナクールに液体タイプはなく別会社が販売している商品のみとなっています。

 

 

パナクール
錠 剤

 

パナクール オーラルペースト
ペースト状

パラゾール
液 剤

パナクール パナクール オーラルペースト パラゾール
250 mg/錠 0.94 g/ 5g (18.75 %) 100 mg/ml
MSD Animal Health バリンズケリグス ヴェタリナリナリー プロダクト

 

 

フェンベンダゾールを成分としているので、どれも効果は同じなのですが、剤型が固形、液体、糊状であることや、味においてそれぞれメリット・デメリットがあります。

 

 

テーブル内にウサギやカメが出てますが、ウサギの場合原虫が原因のはエンセファリトゾーン症の治療、カメの場合は蟯虫といった寄生虫駆除に使われています。また、犬や猫においては、駆虫以外に「扁平上皮癌の猫の手術後、再発し、再手術不可能だったので飲ませてみた」、「腫瘍の治療にフェンベンダゾールを使っている」飼い主さんもいます。

 

商 品 名 メリット デメリット
パナクール

・のどに押し込んだら飲んでくれる
・おやつや美味しいものに包んであげると食べてくれる
・その子に与える必要な量を計りやすい

・投薬の際、負担をかけてしまい可哀想
・すんなり飲め無い
・水に溶けない

パナクールオーラルペースト

・味が嫌じゃないようで問題なく食べてくれる
・餌に混ぜて食べさせやすい
・飲ませやすくて使いやすい
・エサに混ぜこむこともなくペロペロなめてくれた
・苦くないので、飲ませやすい
・ヘルマンリクガメがすんなり食べてくれる
・野生のカメに使用しており、かなりの効果が見られる

・ウサギにはシリンジの口が大きい
・シリンジから適量を出しづらい
・猫には嫌いな臭いみたいで、舌の上に押し出すのは無理

パラゾール

・無味無臭で使用しやすかった
・錠剤だと飲ませ難かったのが液体になった事でスムーズに投与することができる
・ウサギの場合は微量なのでペーストかコレの選択になる

・フードに混ぜて与えたが、混ぜたとたんに食べなくなる
・ちゅーるや缶詰に混ぜても食べたがらない子がいた
・乳白色の油性の液体のため、水などには混ざりにくい

 

 

犬と猫の駆虫薬(虫下し)の成分で優秀なのはフェンベンダゾール?」でも書いてますが、フェンベンダゾールは万能ともいえる薬でしょう。腸管内に寄生する線虫類、条虫類、吸虫類、原虫類を幅広く駆除できるので、犬や猫だけでなくエキゾチックアニマル(ウサギ、カメ)、家畜(牛、馬、豚、山羊)や魚の駆虫にも使われていますからね。

 

 

フェンベンダゾールには、寄生虫の代謝回路を選択的に阻害するという作用機序があります。そのため、副作用が極めて少ない安全性の高い医薬品であると言われているのですが、油断大敵です。フェンベンダゾールにも毒性や副作用があるのです。

 

 

鳥類や爬虫類で骨髄抑制などの毒性や、反芻動物での流産が報告されています(出典)。反芻動物の流産は他の駆虫薬との併用が原因と考えられているとのことですから、フェンベンダゾール以外の駆虫薬を使用している場合は愛犬や愛猫への投薬はお控えください。

 

 

先ずは獣医師に相談をし、指導を受けてからフェンベンダゾール投与してくださいね。。

 

 

参考:メベンダゾール フェンベンダゾール 、 メベンダゾールの抗がん作用

虫下しはがんに効くのか?フェンベンダゾールでの癌治療メモジョーのプロトコル

 

有効成分含有量

価格

内容量

購入

 

250 mg

 

パナクールKH

2,148円

10 錠

猫 肺虫 薬

 

500 mg

 

パナクールKH

2,741円

10 錠

猫肺虫症 薬

 

与え方

 

犬と猫どちらも 50 mg/kg  ※ 猫は場合によっては 3〜5日間投与。

 

体 重 錠 剤 数 投 与 方 法
2.5 kg 0.5 錠

 

 

1日 1回
3 日間 連続投与

 

5 kg 1 錠
7.5 kg 1.5 錠
10 kg 2 錠

 

注意点

 

定められた用法・用量を厳守する
犬猫以外の動物には使用しない
含有成分に過敏症の既往がある動物には使用しない
食用馬には使用しない
繁殖に用いる、もしくは妊娠中あるいは授乳中の動物には使用しない
唾液分泌、嘔吐、下痢などの症状が現れることがある

 

 

 

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