犬の多頭飼育者に重宝されているドロンタールプラスの後発品 「ウォレックス」
品名 : ウォレックス (Worex)
メーカー : サイエンティフィック リメディズ(Scientific Remedies)
内容量 : 40錠
成分 : プラジクアンテル、パモ酸ピランテル、フェバンテル
対象動物 : 犬
効果 : 犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫、吸虫の駆除
ウォレックスはキウォフプラスと同じくドロンタールプラスの後発品です。
ウォレックスは Scientific Remedies 社、キウォフプラスは SAVA VET 社と、後発品はどちらもインド国籍の企業が製造しているのですが、どちらかというと SAVA VET 社の方が馴染みがあるように思えるのは、扱う動物用医薬品が種類に富み品数が多いからでしょうか。
ウォレックスはドロンタールプラスのジェネリックですから、もちろん有効成分や駆虫できる寄生虫は同じです。しかし、残念なことに猫用はありません。猫用の先発品ドロンタールの後発品をお探しなら、キウォフを選択されるといいでしょう。
ウォレックスは 1箱に入っている錠剤の数が 40錠と、キウォフプラスの倍ありながら価格はほぼ同じです。そのような理由から、特に中型以上の大きさの犬を多頭飼いされている方に重宝されています。狂犬病などのワクチンと違い、薬は体重に比例して投薬量も多くなってきますからね。
定期的に駆虫を行うなら、少なくとも 2か月に一度は投薬をしたいものです。仮に、体重が 30kg〜 40kgの犬を 5頭飼っていたとすると、1回の投薬で少なくとも 20錠(=4錠×5頭)は必要となってきますので、例えばウォレックスだと 1箱で2回分を賄える計算となります。
ウォレックスが高評価を得ている理由は錠剤の数の多さだけではありません。錠剤が小さめ、中央線が入っていて割り易い、10kg/錠といった犬への投薬のし易さもあるからです。
犬の保護活動をされている方だと、お世話している保護犬の大きさや年齢も様々です。複数頭を同時飼育することはままありますし、野犬を含め保護した犬は高確率で回虫などの寄生虫を持っているため、他の子にも感染しないよう初日から駆虫薬を飲ませます。
「常備薬として駆虫薬が欠かせない」「犬が多数いるから多量を必要としている」といった方々のニーズをウォレックスは満たしていますが、先述したようにウォレックスは犬用のみとなっています。「猫用とそんなに変わらないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、錠剤の数と価格で飛びついてはいけません。
次のテーブルをご覧ください。
犬 用 | 猫 用 | ||||
---|---|---|---|---|---|
分 類 | 先発医薬品 | 後発医薬品 | 先発医薬品 | 後発医薬品 | |
品 名 | ドロンタールプラス | ウォレックス | キウォフプラス | ドロンタール | キウォフ |
成 分 |
プラジカンテル 50mg |
プラジクアンテル 20mg |
|||
寄生虫 | 犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫、瓜実条虫 | 猫回虫、猫鉤虫、瓜実条虫、猫条虫 |
犬用の成分欄にはフェバンテルがありますが、猫用にはありません。犬と猫とでは薬物代謝が異なります。犬にとっては有益なのに、猫にとっては有害になる薬(物質)は枚挙にいとまがありません。犬用の薬を猫でも用いたいと思っても独断で使用するのはお控えください。疑問が生じた場合は、かかりつけの獣医師に相談なさることをおすすめします。
ウォレックスは犬に寄生する蠕虫類(吸虫、線虫、条虫)の駆除を得意としますが、体表に寄生するノミやマダニといった外部寄生虫の駆除ができません。ですので、外部寄生虫対策には別な駆虫薬を使用する必要があります。
ウォレックスの使い方
品 名 |
ドロンタールプラス |
ウォレックス |
---|---|---|
対 象 | 犬 | |
分 類 | 先発品 | 後発品 |
メーカー |
バイエル |
サイエンティフィック リメディズ |
成 分 |
プラジクアンテル 5mg |
|
内容量 | 20 錠 | 40 錠 |
駆除できる寄生虫 | 犬回虫、 犬鉤虫、 犬鞭虫、 瓜実条虫 | |
投与量 | ||
0.5 kg 〜 2.5 kg 未満 | 1/4 錠 | |
2.5 kg 〜 5 kg 未満 | 1/2 錠 | |
5 kg 〜 10 kg 未満 | 1 錠 | |
10 kg 〜 20 kg 未満 | 2 錠 | |
20 kg 〜 30 kg 未満 | 3 錠 | |
30 kg 〜 40 kg 未満 | 4 錠 |
使用上の注意
フェバンテルはラットの高用量投与で催奇形性が認められているため。
プラジクアンテルは溶液の状態において皮膚から吸収されるため。