フィラリア予防薬を飲ませるのはいつからいつまで?
フィラリア予防薬には、「予防」と付いていますが、実は予防薬ではなく駆虫薬なんです。
フィラリア予防薬を飲ませた・投与したからと言って、フィラリアを予防するのではなく、フィラリアの感染幼虫を持っている蚊に血を吸われたとして、その際に犬の体内に入ってきたフィラリア幼虫を駆除するんですね。
蚊に吸血された後にフィラリア薬を飲ませることになりますので、蚊の発生(蚊が見え始めてから)〜蚊が見えなくなってから1か月後までの間、フィラリア予防薬を飲ませる必要があると理解されておくといいでしょう。11月まで蚊がいた場合は12月まで続けるということになりますね。
下のフィラリアの感染サイクルをご覧ください。フィラリア薬の投与開始がなぜ蚊が発生してからなのか、なぜ蚊が見られなくなった後までフィラリア薬を飲ませる必要があるのかが理解できるはずですから。
もちろん、例えば北海道と沖縄とでは気温に地域差があるので蚊の発生時期が異なりますから、沖縄のような暖かい地域では1年中飲ませる必要がありますし、北海道では飲ませる期間が短くなります。
フィラリアの感染サイクル
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Aミクロフィラリアは、2週間程度で蚊の体内で発育・成長を繰り返し(L2、L3)、感染幼虫(L3)になります。
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B蚊が他の犬の血を吸った際に、感染幼虫(L3)が犬の体内に入ってきます。
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C犬の体内に入った幼虫(L3)は10日程でL4幼虫に成長し、皮下織や筋肉の中で約2か月かけて成長します(L5)
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↓ ← フィラリア予防薬投与
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D幼虫(L5)は血管内に侵入し、その後心臓や肺動脈に寄生します。
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E発育を繰り返し、3〜4か月の後成虫となり、雌雄が揃うとミクロフィラリア(L1)を産み始めます。
フィラリア予防薬はL3〜L4幼虫を駆除することで、L4幼虫が成長してL5となった幼虫の血管内への侵入を防ぎます。上の感染サイクルの中ではフィラリア薬の投与がCとDの間となってますが、薬を与えるタイミングは人それぞれですので、BとCの間にフィラリア薬の投与日がある場合もあります。
繰り返しになりますが、フィラリア予防薬が駆虫できる期間は、フィラリア幼虫が犬の体内に入ってから1〜1.5か月以内なんですね。なので、フィラリア予防薬の投与を開始する時期は蚊が発生し始めた1か月後からで、投与を終えるのは蚊が見えなくなってから1か月後となります。