チェリーアイはビーグルやスパニエル、ボストンテリアなどに多い目の病気
人の瞼(まぶた)は上下2枚ですが、犬や猫には瞬膜と言われる
目の内側から出てくる膜状の3つ目の瞼があります。
瞬膜は実は爬虫類や鳥類のもので、
目の開閉時にシュッと目を覆うようになっているのが観察されますが
犬や猫の場合はこのようにならないので瞬膜と言わず、第三眼瞼と言います。
第三眼瞼の裏には第三眼瞼腺(瞬膜腺)という腺組織がありますが、
チェリーアイはこの第三眼瞼腺が瞬膜の外に飛び出してしまう目の病気です。
チェリーアイの特徴は、第三眼瞼腺が炎症を起こして
目の外側に飛び出してしまうほど大きく腫れあがることです。
これが結膜や角膜を刺激したり、犬自身が不快感から目を擦ることによって
結膜炎や角膜炎が起こることもあります。
チェリーアイは瞬膜の外に飛び出してしまう理由ですが、通常なら第三眼瞼腺は
目の周りにある骨の膜眼科骨膜に結合組織でつなぎとめられています。
先天的にこのつなぎとめる力が弱くなっている場合や目および
その周囲に外傷を負った場合、また、目の奥に腫瘍があった場合などで
チェリーアイを起こすことがあります。
チェリーアイの良く見られる犬種
アメリカン・コッカー・スパニエル、 イングリッシュ・コッカー・スパニエル、
ビーグル、 バセット・ハウンド、 ブラッド・ハウンド、 ボストン・テリア、
ラサ・アプソ、 シーズー、 ペキニーズ など
1歳以下で発症する例がほとんどです。
1歳未満の比較的若い時からチェリーアイを発症するのは先天的な原因によるものですが、ある程度の年齢が過ぎた中高齢での発症は、瞬膜腺や眼球の腫瘍を疑います。