「うちの子は絶対に噛まない子」と信頼しきっている皆さんへ
わんちゃん大好き・柴犬大好きな28歳新米主婦、Akiと申します。
私の愛犬、柴犬シュンは今年で11歳。今日は、一緒に暮らしてきた11年の中で5年目に起きた、シュンが人を噛みケガをさせてしまった出来事をお話したいと思います。
一緒に暮らし始めて5年、シュンの性格もだいぶ分かったつもりでいた頃でした。シュンは去勢手術をしていないため、他のわんちゃん、特にオスのわんちゃんには攻撃的なところがあります。しかし人は大好きで、噛み付くようなことは一切ありませんでした。「うちの子は人を絶対噛まない」そう信じ込んでいました…。
シュンと朝のお散歩中、同じく柴犬を飼っているという女性が話しかけてきました。犬がかなり好きな様子で、その女性はシュンをいきなりぎゅっと抱きしめました。次の瞬間、シュンは今まで見たことのないような表情で、女性の腕に勢いよく噛み付いたのです。
すぐに離そうとしましたが、ものすごい力で、なかなか離しません。何とか必死で離すことができましたが、その女性は数針縫うケガを負い、止めに入った私も指を縫うケガをしました。
噛み付いた直後、大学生だった私はパニックになり、すぐ近くの家へ両親を呼びに行きました。すぐに近所の外科へ女性と向かい、治療をしてもらいました。私より女性の方がひどいケガだったのに、その女性は私のことを心配し、ずっと声をかけて下さっていたのをよく覚えています。
その後も何日か通院し、少し時間はかかりましたが二人とも完治することができました。治療費については、保険会社を通じてやりとりしました。
また相手の女性の方には、数日置きに電話をし、ケガの方はどうか聞かせてもらいました。元気になられたので本当に良かったですが、ケガをして数日は痛みで眠れなかったりしたと聞いたので、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。後から話を聞くと、その女性が飼っていたのはオスの柴犬でした。
おそらくシュンは、女性から出る「オス犬の匂い」に反応し噛み付いたのだと思います。人には絶対噛みつかないと思い込んでいた私は、女性が近づいてきた時も何も警戒していませんでした。その結果、このような大きなケガと怖い経験をさせてしまったのです。
この出来事から、みなさんに一番知っておいていただきたいことは、「犬は人間よりも強い動物である」ということです。普段から攻撃的な子もいれば、とても穏やかでケガをさせるなんてありえない…と思えるような子もいるかと思います。
ですが、犬たちは人間ではなく「動物」です。何でスイッチが入り、理性が効かなくなるか分かりません。「絶対に噛まない」なんてありえないと思うのです。
よくノーリードで散歩させている方を見かけます。きっとご自身の愛犬を信頼しきっているのだと思います。しかしノーリードはとても危険です。
相手の犬が攻撃的な子だったら、大切な愛犬がケガをしてしまうかもしれません。変わったペットを飼っている人が通りかかったら、その匂いに反応しケガをさせるかもしれません。その人が小さな子どもだったら、命を落としてしまうかもしれません。
ケガをさせた相手の方が激怒したら、大切な愛犬に何かされるかもしれません。急に愛犬が何かに反応しパニックになり、車道に飛び出してしまうかもしれません。人や相手の犬にケガをさせないためだけではなく、大切な愛犬を守るためにも、「犬の怖さを忘れないこと」はとても大切だと思うのです。
あの出来事以降、私は人が近づいてきた時には「噛むかもしれません」ということを必ず伝え、すぐに近づけないようにしています。鼻が当たる程度に近づけて匂いを嗅がせ、しっぽを振ったりキュンキュンと鳴いたり、大丈夫そうな様子が確認出来てから触ってもらうようにしています。また、ノーリードのわんちゃんを見かけたら、すぐにシュンを抱き上げるようにしています。
悲しい・怖い思いをする人が出ないよう、どうか「愛犬は強い力を持つ動物である」ということを忘れずに、愛犬と素敵な信頼関係を築いていってもらいたいと願っています。