猫の慢性腎不全の薬

犬の僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全の症状の改善

犬の僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全は、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン（RAA）系の継続的な活性が血管の収縮、水分・ナトリウムの貯留を促進させることで血圧の上昇、血液量の増加をきたし、ますます心臓に負担をかけるために症状が進行します。

ベナゼプリラートがRAA系を抑制し、血管拡張、用量過負荷の低下、利尿作用、心拍出量の増加、心筋を保護することによって心臓への負担を軽減させます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症と拡張型心筋症について

猫の慢性腎不全における尿蛋白の漏出抑制

猫の慢性腎不全は、腎臓の機能単位である機能ネフロンの減少に伴って、残存ネフロンが腎機能を維持するために代償性反応を起こすことで慢性腎不全の病態が進行します。

代償性反応として、残存ネフロンの1ネフロンあたりの糸球体濾過量の上昇、糸球体内圧の亢進がみられ、さらにメサンギウム細胞の増殖、糸球体の線維化、尿たんぱく漏出などが起こります。その結果、更なる機能ネフロンの減少が起こり、慢性腎不全の病態が悪化します。

尿たんぱくは、慢性腎不全の増悪因子と考えられており、ベナゼプリラートはRAA系を阻害することにより、輸出細動脈を拡張し、亢進した糸球体内圧を下げ、また、メサンギウム細胞の増殖を抑制し、ネフロンの消失や尿たんぱくの漏出を抑制します。

犬への投与量

体重1�sあたり塩酸ベナゼプリルとして、0.25�r〜1.0�rを1日1回経口投与する。

猫への投与量

体重1�sあたり塩酸ベナゼプリルとして、0.5�r〜1.0�rを1日1回経口投与する。

フォルテコールを使用してはいけない犬と猫

子犬および子猫、妊娠および授乳中の犬猫に対する安全性が確立されていないため。

フォルテコール使用上の注意

フォルテコールで犬の僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全の症状を改善するにあって、�@必要により適切な対症療法（利尿・強心）を行う、�A腎前性高窒素血症が認められる場合には腎機能の監視を行い、フォルテコールの投与および対症療法を慎重に行う、�B重度の肝障害のある犬については慎重に投与する、必要があります。

また、猫の慢性腎不全における尿蛋白の漏出を抑制する場合においては、�@慢性腎不全の尿毒症末期および急性腎不全の症例に対しての投与を避ける、�A重度の肝障害のある猫へは慎重に投与する必要があります。

薬理作用として、降圧作用により虚脱あるいはふらつきが現れることがある

特に初回投与後は注意深く観察すること。

ときに嘔吐、軟便、下痢がみられることがある