クロミカルムは分離不安症の犬のための治療補助薬です
クロミカルムは、飼い主から離れることに起因する犬の分離不安症(飼い主のいない間の破壊、吠えの行動ならびに不適切な場所での排便、排尿行動)の治療の補助剤として用いられます。クロミカルムの主成分は塩酸クロミブラミンです。
塩酸クロミブラミンは脳内の伝達物質セロトニンの取り込みを阻害する作用を持っています。分離不安症を呈する犬では、不安に関与するセロトニンの脳内での作用が弱い傾向にあると言われていて、クロミカルムを投与することによって、選択的にセロトニンの取り込みを阻害し、セロトニンの作用を高めて不安状態を取り除くと考えられています。
犬の分離不安症って何?
犬が飼い主から引き離された時、過度の不安やストレスによって@過剰な吠え、A不適切な排便・排尿、B破壊など、犬にとっても飼い主にとっても問題となる行動をとることがあります。
これを犬の分離不安症と言い、分離不安症を示す犬は飼い主に対して普段、過度な愛情を示す傾向にあります。分離不安症を治療するためには、一般的に犬への過度な愛情を断ち、飼い主との適切な関係を作るための行動療法と、それをより早く効果的に治療するために薬物療法を併用することが薦められています。
クロミカルムの用法・用量
分離不安症の犬にクロミカルムを投与する場合は、下の表に従って投与して下さい。
犬の体重 |
クロミカルム錠 5r |
クロミカルム錠 20r |
---|---|---|
1.25 kg 〜2.5 kg |
1/2 錠 |
|
> 2.5 kg 〜 5.0 kg |
1 錠 |
|
> 5.0 kg 〜10.0 kg |
|
1/2 錠 |
> 10.0 kg 〜20.0 kg |
|
1 錠 |
> 20.0 kg 〜 40.0 kg |
|
2 錠 |
クロミカルムの使用上の注意
クロミブラミンおよび関連の三環系抗うつ剤に対して過敏症の犬には使用しない
繁殖用の雄犬には投与しない
過量投与(50r/s、12か月連続投与)によって精子の低形成が見られたため。
緑内障の犬に対しては慎重に投与する
抗コリン作用により眼内圧を上昇させる恐れがある。
不整脈等の心疾患に対しては慎重に投与する
てんかん等の痙攣性疾患またはこれらの既往症のある犬に対しては慎重に投与する
クロミカルムの投与によって痙攣の閾値を下げる恐れがあるため。
妊娠している犬への投与は慎重に行う
妊娠犬に対する安全性が確立されていないため。マウスやラットでの実験において胎子毒性が知られている。
クロミカルムの副作用
投与により嘔吐、食欲不振、嗜眠が観察される
嘔吐の場合は少量のえさと一緒に与えることによって改善される。
投与によりときに下痢が認められる
その場合、適当な対症療法を行い、改善が認められない場合には本剤の投与を中止する。
参考 : クロミカルム 添付文書、クロミカルム錠 - エランコジャパン株式会社
クロミカルム 5r
商品名 : クロミカルム(Clomicalm)5mg
内容量 : 30錠
主成分 : Clomipramine Hydrochloride 5mg
メーカー : ノバルティス
価格 : 3,422円/1箱、 6,304円/2箱、 9,187円/3箱
※US$を日本円に換算しているので、若干の価格変動がある場合があります。