犬に多く見られる目の病気は犬種によって違ってくる
気をつけたい犬の目の病気
目を患う犬の数は多く、動物病院で診察を受ける犬の3〜4割の犬が目に病気を抱えているそうです。「犬の目が赤い」「歩行時にぶつかることが多い」「やけに目ヤニが多い」「いつもより目が細い」などの症状が見られるため飼い主さんは犬を連れてくるのですが、獣医師はこの飼い主さんの申告する犬の症状と視診、眼科検査で診断名を出します。
病気によっては深刻なものであっても目の異常に気付きにくく、ただ「犬があまり食べない」「犬の元気がない」「穏やかな子なのに怒りっぽくなった」などとの漠然とした症状しか認められないこともありますが、「目が大きくなって前方に出てきた」といった目に明らかな異常が認められるときは、大抵の場合は末期的な状態であると言えます。
これは緑内障になった時のことを書いてますが、犬に異変が見られるときは眼圧が高くなって目に激しい痛みがあるときでしょう。
「目が大きくなって前に出てきた」という症状は牛眼で、牛の目のように著しく腫大した目です。この時はもう既に視力を無くしているので、後は手術で眼球を摘出するか、眼球を温存するなら義眼を入れるしか手はありません。
緑内障の一例しか挙げませんでしたが、目の病気で誰もが犬を見て気付く症状の時はほとんどの場合末期的な状態となっています。
右は、白目に強い充血が見られる緑内障の目です。
画像引用元:プリモ動物病院
犬の目の病気には、
@ 犬種や犬の毛色によって好発する病気や病気の発生率が違ってくる。
A 8割方は遺伝性のものである。
B 年齢が若いころから定期的に健康診断を受けることで、目の異常を早期に発見することが可能である。
と3つの特徴があります。
愛犬と毎日接している飼い主さんなら、愛犬のちょっとした異常にもお気づきになられるでしょうから、普段から気にしてあげて、また、動物病院での健康診断を定期的に受けさせることが目を始めとする他の病気の早期発見につながります。
犬種別の眼疾患を持つ割合と好発眼疾患
●ゴールデンリトリーバー : 約42% ; ぶどう膜炎(腫瘍関連)、 虹彩のう胞
●コッカースパニエル : 約67% ; 白内障、 緑内障、 進行性網膜萎縮、 チェリーアイ
●キャバリア : 白内障、 角膜クリスタル沈着、 結膜炎
●シーズー : 約45% ; 白内障、 角膜潰瘍、 網膜剥離
●柴犬 : 緑内障、 白内障、 角膜炎
●チワワ : 約28% ; 白内障、 角膜内皮障害、 流涙症、 チェリーアイ、 結膜炎、 角膜炎
●トイプードル : 白内障、 進行性網膜変性(※)、 流涙症、 角膜炎
※毛色によって異なる発生率 グレー : 約62%、 ブラック : 約56%、 アプリコット : 約36%、 ホワイト : 約8%
●パグ : 約57% ; 緑内障、 白内障、 結膜炎、 角膜炎
●ミニチュア・シュナウザー : 白内障、 特発性網膜変性
●ミニチュアダックス : 約31% ; 網膜変性(進行性)、 白内障
●ヨークシャー・テリア : 白内障、 ドライアイ