犬の網膜剥離はコリーが多いの?!
網膜剥離は視力もしくは視野を失う眼疾患の一つで、
網膜の一部もしくは全部が眼底から剥がれた状態となっています。
目の解剖図をご覧ください。
硝子体から外側に向けて 網膜 ⇒ 脈絡膜 ⇒ 強膜 となっています。
網膜には光を感じ、その強さ、色、形などを識別する視細胞があります。
また、網膜は視神経とつながっています。
物を見るということは、物にあたって反射された光を見ているということです。
視神経が網膜でとらえた情報を脳へ伝えることで、
脳は目から送られてきた情報を立体像として認識します。
脈絡膜という組織は、網膜に栄養を送る役割を担っています。
網膜が脈絡膜から剥がれてしまうと、
血管に富んだ脈絡膜から網膜への栄養供給が不十分となります。
その結果、網膜の神経細胞が壊死し、失明します。
これが網膜が剥がれることで視力障害が起こる仕組みです。
では、なぜ網膜が剥がれてしまうのでしょうか?
原因の一つに網膜形成不全がありますが、これは比較的稀で
先天性の疾患としてコリーによく見られるようです。
別な理由としては
網膜と脈絡膜の間の炎症、硝子体の炎症、目への衝撃などが挙げられます。
網膜と脈絡膜の間で起きた炎症による産物が蓄積することで網膜が剥がれたり、
ボクサーで例えると、相手からパンチを受けた際の目への衝撃によって
網膜が剥がれたりします。犬同士の遊びでも網膜剥離になる可能性があります。
硝子体は水晶体の後方に存在する内腔を満たす透明なゼリー状の組織で、
目の外側を覆う強膜とともに目の形を保つ役割を担っています。
また、外からの力を分散させる作用を持つとされていますが、
硝子体が炎症によって萎縮するなど変形することで網膜が前方に引っぱられてしまい
網膜が剥がれてしまいます。
やっと犬の名前が出てきますが、自然発症的に網膜剥離がおきやすい犬種は
イタリアン・グレー・ハウンド、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、
シー・ズー、トイ・プードルなどです。