チュアブル・錠剤タイプとスポットタイプのフィラリア予防薬
フィラリア予防薬を投与する方法には、注射、経口投与、経皮投与があります。ここでは、経口投与と経皮投与するフィラリア予防薬について簡単に書きます。薬を食べさせる・服用させる投与方法を経口投与と言い、薬の形状としては、錠剤タイプとチュアブルタイプがあります。顆粒状のものもありますが、このサイトで紹介している中にはありませんので割愛しますね。
錠剤タイプ
キウォフハート
コンフォティスプラス
ダイロハート
バジルガードプラス
パノラミス
プロハート
ミルベマイシンA錠
チュアブルタイプ
インターセプタ―
カルドメック
ストロングハート
ダイロハート
ネクスガードスペクトラ
ハートプロテクトプラス
経皮投与するフィラリア薬は薬剤を体に滴下して、皮膚から吸収させるものです。ノミやマダニを駆除する薬を投与する方法と同じですね。ブロードラインはスポットタイプのフィラリア薬としては珍しい、シリンジ型の容器となってます。注射を打つ時のような感じで中の溶液を皮膚に付けます。
スポットタイプ
アドボケート
ストロングホールド
ブロードライン
レボリューション
フィラリア予防薬を剤形別に分けてみましたが、それぞれに下記のようなメリットデメリットがあります。
フィラリア予防薬の剤形毎の長所と短所
剤 形 |
長 所 |
短 所 |
---|---|---|
チュアブル |
・おやつ感覚で食べてくれる |
・鶏・豚・牛などアレルギーに注意 ・冷蔵保存が望ましい |
錠 剤 |
・小さくフード・おやつに混ぜやすい ・常温保管 |
・神経質な子に向いていない |
スポットタイプ (滴下タイプ) |
・飲み薬が嫌いな子に | ・効果は同等でも、飲み薬より不安を感じる飼い主さんも |
動物病院で処方されることの多いチュアブルタイプのフィラリア薬
おやつのように食べられるようにしたチュアブルタイプのフィラリア薬です。
カルドメック
フィラリアはもちろん、回虫・鉤虫からも守ることができます。散歩などで回虫・鉤虫などに感染している犬の糞を、知らずに舐めてしまったり、口に入ってしまったら…。
感染すると、下痢をおこしたり、吸血されて貧血になるだけでなく、なんと、ほかのワンちゃんに、うつしてしまうかもしれません。カルドメックを使えば、これらの虫も予防できるので、安心して外出できます。
イベルメクチンという成分が効果を発揮しますが、子犬や妊娠中の犬に使うことができるほど、安全性が高いとされています。コリーやシェルティーに使うと副作用が起きることがあるので獣医師とよく相談しましょう。
モキシハート
モキシデック錠と同じモキシデクチンという成分が入っていて、牛肉の味・風味を付け、新たに発売されました。その他の虫への効果はなく、フィラリアの予防だけをしたいという方に適しています。
イベルメック
カルドメックと同じ成分で、効き目も同じ「ジェネリック」というお薬です。お薬の特許が切れたあとに、同じ成分・効果にして作られたので、研究開発費がゼロとなり、安く買うことができるのです。国産牛を選び抜いて使用しているので、愛犬も美味しく感じるでしょう。
フィラリア予防薬(チュアブル)の1ヶ月あたりの参考価格
動物病院のホームページでチュアブルの1ヶ月あたりの値段を調べてみました。
2015年7月現在のフィラリア予防薬の価格は次のとおりです。
モキシハートはフィラリア予防のみに特化しているのでカルドメックより安いです。イベルメックはカルドメックのジェネリックなので、こちらもカルドメックより安くなっています。
動物病院のホームページに出されているデータを参考に作成したので実際の価格とは異なる場合があります。動物病院毎にこれらの薬の値段は違ってくるので、この数値は「大まかに傾向をつかむ」ための参考程度にしてくださいね。
錠剤タイプのフィラリア薬を口にしてくれないのは薬が苦いから?
錠剤タイプのフィラリア薬で、味が付いていないものだと口にした時に薬の苦味や風味がダイレクトに伝わってしまい、愛犬が嫌がって飲んでくれない場合が多々あります。このタイプの薬は飲み残ししないよう、注意しておく必要があります。
初めて見るものに警戒してしまう神経質な子には、錠剤を小さく砕いてフードやおやつに混ぜて与えることをお勧めします。薬を食べないまま残してしまったり、別の場所に隠してしまうこともあるので、極力飲み込むまで見届けてあげましょう。
ミルベマイシン錠
ミルベマイシンオキシムという成分で、フィラリアの予防はもちろん、愛犬に寄生して下痢や貧血を引き起こす回虫・鉤虫・鞭虫も、退治できます。
モキシデック
モキシデクチンが効果を発揮しフィラリアを予防することができます。錠剤・注射がありますが、錠剤は比較的副作用が少ないとされています。2014年、理由は明かされていませんが、ほとんどのサイズで長期間、メーカー欠品となっているようです。
フィラリア予防薬(錠剤)の1ヶ月あたりの参考価格
動物病院のホームページに出されているデータを参考に作成したので実際の価格とは異なる場合があります。動物病院毎にこれらの薬の値段は違ってくるので、この数値は「大まかに傾向をつかむ」ための参考程度にしてくださいね。
年に一度の投与で長期間フィラリア予防できるフィラリア注射
フィラリア予防が必要とされる期間は5月から12月までとされています。フィラリア予防薬といえば、ほとんどが飲ませるタイプですよね。アドボケートやレボリューション、ストロングホールド、ブロードライン(猫用のみ)のように液剤を皮膚につける薬もありますが、これらのフィラリア薬は毎月投与する必要があります。
毎月同じ日にフィラリア薬を飲ませるのを忘れてしまいそう、その行為がめんどくさい、フィラリア薬をいくつも買うのが経済的に厳しいと感じる人は少なくありません。理由は人それぞれです。そこで便利なのがフィラリアの予防注射です。年に一度接種することでフィラリアを長期にわたり予防してくれます。これなら薬の投与を忘れることもありません。
注射ですから季節を問わずいつでも投与が可能なので、動物病院が込み合う春先を避けることもできるんです。たとえば注射用プロハート12(Zoetis JP)でしたら、1回の注射で1年フィラリアの予防効果が続きます。効果が1年も続くということは、冬でも蚊が見られるような地域にお住まいなら、「フィラリア予防をいつまで続ける必要があるのだろう」、といったことで頭を悩ますこともありません。
しかし、犬ならどの個体も注射できるかというと、そうでもないんです。まだまだこれからも成長が続くような子犬は打てません。成長しているってことは体が大きくなると同時に体重も増えていきます。成長過程にあるのにその時の体重に必要な量の薬を打ったとしても、極端な話、数か月後には薬が足りていないことになってしまうのです。
ですから、体重の変動がある成長の途中にある子犬に関しては、注射でなくフィラリア薬の服用もしくは外用となってしまいます。体重の増減が著しい犬も同様で、体重が増えてしまえばやはり必要量に達していないことになってしまいますからね。注射でフィラリア予防をするにしても、普通のフィラリア予防薬と変わりませんので、投薬前のフィラリア検査は必要です。フィラリア検査をしないでフィラリアの予防注射をする獣医師はいないはずですから、よく説明を受けてください。
参考までに、3つの動物病院での料金を載せてみますね。
体重 | A 動物病院 | B 動物病院 | C 動物病院 |
---|---|---|---|
〜5.0kg | 6,250円 | 6,000円 | 8,400円 |
5.0kg〜10.0kg | 7,100円 | 9,000円 | 10,500円 |
10.0kg〜15.0kg | 7,950円 | 12,000円 | 12,600円 |
15.0kg〜20.0kg | 8,800円 | 15,000円 | 14,700円 |
20.0kg〜25.0kg | 9,650円 | 18,000円 | 16,800円 |
25.0kg〜30.0kg | 10,500円 | 20,000円 | 18,900円 |
同じ体重の範囲内にあっても、病院によってフィラリアの注射料金が違ってきますね。これ以外に診察料(初診料、再診料)や消費税も加算されます。もしあなたが愛犬のフィラリア予防を注射でしたいとお考えなら、フィラリア注射を実施しているのか、値段はいくらなのか動物病院に問い合わせるかホームページでお調べになられるといいでしょう。