猫 鳴き声 うるさい

猫の音に対する反応が悪い・聞こえていない

 

猫が呼びかけに応じない

 

「大きな音がしても驚かなくなった・鈍くなった」

 

「大好きな缶詰やおやつの袋を開けようとしても反応しない・反応が悪い」

 

「音が聞こえていなさそう」

 

「眠りが深いのか、これまでは少しの音でも起きてきたのに寝続けている」

 

「名前を呼んでも振り向かない・反応しない」

 

「鳴き声が大きくなった」

 

「外出から戻ると喜んで迎えに来ていたのが来なくなった」

 

 

猫の耳を見ていると、気持ちを汲み取れることができるくらい豊かに動きます。犬だと尻尾ですよね。クールで冷静な様を装いつつ、抑え込まれている感情が耳の倒れ方、耳の向きや角度などで表現されるので、猫の気持ちが手に取るようにわかるといっても言い過ぎではないでしょう。

 

 

また、気になる音や気配を察知すると、猫は耳をアンテナのように対象とする方向へ向けます。

 

 

猫は人が聞き取ることのできない音を聞くことが可能で、周波数の高低どちらも人の耳には届かない周波数の音を聞ける聴力を持っています。下の数字を見ると、高音域だと人の2.8倍も差があることがわかりますよね。犬も聴覚が優れ、高音域が人の2倍ですが猫には及びません。

 

45〜65,000Hz、    : 64〜23,000Hz、    : 67〜45,000Hz

 

(George M Strain., 2017, Journal of Feline Medicine and Surgery

 

このように、人だけでなく犬よりも高音域の聞き取りが優れている猫なのに、何らかの音に対して反応が悪いということは尋常ではないことがわかるはずです。この場合、中耳炎や内耳炎、難聴が原因と考えられます。

 

中耳炎、内耳炎

難聴

 

 

 

難聴

 

猫が難聴になる原因は様々で、音が脳に伝わるまでの器官のどこかに異常をきたしてしまうことで難聴になってしまいます。音が脳に伝わるまでの器官はたくさんありますよね。

 

 

外界からの音は外耳道を通り、その音の振動を鼓膜が受け、さらにその先にある中耳内の耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)に伝わる。内耳で振動が信号に変換されてから、聴神経、脳へと続くことで「聞こえる」のですが、これらのどれかがおかしくなると音や信号の伝達が遮断されるので聞こえなくなります。

 

 

先天的な難聴の原因として耳道の奇形や異常があり、青色の目をした白色の毛色をした猫に遺伝的に多く見られるといわれています。

 

獣医学的な観点で「この白猫」のことを調査した研究で、 (省略) 遺伝学的な調査の結論は、「この現象は一つの遺伝子で制御されているのでなく、複数の遺伝子に関連している複雑な現象である」ということでした。

 

省略

 

いずれにせよ、「白い毛色と青い虹彩を有している猫は難聴であることが多い(それでも6〜8割程度)」けれども、「例外もたくさんあり、原因は複数の遺伝子が関連しており、メカニズムは非常に複雑である」、ということが言えると思います。

 

 

「白猫の現象」について(公益社団法人 日本獣医学会)

 

 

後天的な難聴の原因としては、加齢、ポリープと言われる隆起性病変が耳道に形成されることによる閉塞、種々な理由による鼓膜の破れ耳小骨の異常があります。

 

また、中耳に液体が貯留することで難聴になることもあります。

 

 

シーズンじゃないのに猫の鳴き声が大きい

 

 

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