柴犬　運動量

 

男性　30代　旧ザク

 

実家に暮らしていた時、柴犬を飼っていました。私が小学４年生の時にわがままを言って飼う事になったんですが、元気が良すぎて散歩に連れて行っても夜寝れずに、野良猫や家の近所を通る人に吠えまくるのには本当に悩まされました。

 

深夜早朝でも構わず、ワンワン吠えまくり、朝になると自分だけぐーぐーいびきをかいて寝ているのには家族全員腹が立ちました。広島市内の住宅地なので、近所迷惑は間違いなかったです。

 

私が受験勉強で忙しくて、散歩に連れて行けなかった時は特にひどかったです。毎日深夜だろうと大声で吠えまくり、私も睡眠不足になるし、ご近所にもかなり迷惑をかけてしまい、母親がご近所さまに謝りに行っていました。私自身、学校の授業中に睡魔に襲われるため、学業に悪影響が出ました。特に中学・高校生の頃はきつかったです。成績も下がりました。

 

 

これは住宅が密集している我が家の隣近所の家庭にも迷惑をかけて、同じような悩みを抱えさせているのだと思うと、道を歩く時に近所の人と出会わないようにと肩身が狭い思いをしていました。もちろん、犬が悪い訳ではなく、ちゃんと散歩に連れて行っていない私が悪いんですが。家族同士で協力が得られず、散歩になかなか連れて行けませんでした。犬も辛かったと思います。

 

 

歳を取り、耄碌（もうろく）が始まった頃も意味もなく吠えるようになりました。叱っても叱っても吠える事をやめませんでした。今思えば、寂しかったのだと思います。そこまで、当時は私の頭が回らなかった事を後悔しています。犬は死なないと思っていたのかもしれません。

 

 

大学3年生の時、犬が死んだんですが、亡くなった後はその事を随分後悔しました。亡くなる前日、一晩中吠えたり啼いたりしていて、私は今日もうるさいなあとイライラしていました。私は本当に最低です。僕は明日死ぬ、という事を私や家族に知らせたかったんだと思います。最後はだっこして欲しいと言っていたんだと思うと、切なさで胸が張り裂けそうでした。

 

 

もっと散歩に行きたかっただろうな、なんで自分が悪いのに吠えた犬を怒ったんだろうと自責の念に苦しみました。涙が止まらず、私はこいつを飼う資格は無かったと思いました。他の家に飼われていれば、もっと幸せな人生を送る事ができたはずだと。こいつの人生を私は奪ってしまった。囚人のように不自由な不幸な人生を送り、ついに死んでしまった。もう絶対にペットは飼えません。

 

 

これから犬、特に柴犬を飼おうとする方は、柴犬はスタミナが半端ではないので、毎日相当運動をさせないといけない事を覚悟してください。それだけの時間を割ける方と付き合える方が柴犬を飼う資格があると思います。かわいいだけでは無く、ストレスがたまる事もあります。広い庭や畑でのびのびと走り回れる環境が必須ですし、吠えても近所迷惑にならない環境も必要だと思いますので、都会での飼育は向かないし、飼い主・犬にとっても不幸だと思います。

 

 

そして、もし吠えても、吠える事には彼らなりの理由がある事を想像してあげてください。カッとなって怒鳴ったり、手をあげないでください。私は本当に後悔しています。夜中に吠えた時、彼を抱きしめてあげたり、部屋の中に入れてあげればよかった。彼は寂しかったんだと思います。犬にも感情が当然ありますし、人間と同じように心があります。言葉がお互い通じないから、人間以上に労わってあげてください。

 

 

犬は飼い主より先に死にます。その時に私のように後悔しないために、そして犬自身が不幸な人生だったと思って旅立たないように、犬の気持ちを考えて一緒に人生を歩んでください。人格のある一人の家族と思って、大事に愛してあげてください。