犬 要求吠え しつこい

間違ったしつけは、犬と人間との関係を不幸にしかねないという事実

 

犬 要求吠え しつこい

 

女性 / 40代前半 kindsunさん

 

当時、中学生だった私の家に小さなオスの柴犬の赤ちゃんがやってきました。ずっと犬が欲しかったの知っていた父が、知り合いに頼んでもらってきてくれました。名前を「ベル」と名付けて可愛がっていました。

 

犬を本格的に飼うのはその時が初めてだったので、とても嬉しくかったのを覚えています。よくある「お手」や「お座り」などをしようと、一生懸命毎日しつけをしましたが、私が子供だったせいかベルに「下」に見られ、なかなか言う事を聞いてくれませんでした。結局、お手やお座りなどのしつけは覚えさせる事ができないままベルは大きくなっていきました。

 

 

両親もベルをとても可愛がっていて、通常犬の散歩は1日1回〜2回程度ですが、家族全てがベルの可愛さに負け、「くぅ〜ん、くぅ〜ん」と鳴き声を聞く度に散歩へ連れて行くという、甘やかしをしていました。その結果、1日のベルの散歩数がだいたい4〜5回程度にもなっていました。

 

それに味をしめたベルは、何か自分がして欲しい事がある度に「くぅ〜ん、くぅ〜ん」と鳴くようになり、ダメだと分かっていても私たち家族はその都度ベルの要求をそのまましてあげていたのです。しつけとしては、一番してはいけない事です。でもそれに私たち家族は気づいていませんでした。ただ「可愛い」というだけで、ベルを飼っていたのです。

 

 

ご飯も、ドッグフードではなく、ご飯にお味噌汁をかけたり他の具材を混ぜて食べさせていたのですが、その内食べたくないと鼻でせっかく用意したご飯をひっくり返したり、側にある布などで隠してしまうようになりました。更に食べたくないならと、そのご飯を下げようとしてご飯の容器に手をのばすと、「うぅぅぅぅぅ〜」と唸り声をあげてこちらを睨むようになりました。

 

こうなると、もう手がつけられず牙を剥きだして怒って噛みつかれそうになりました。もっと悪いのは、それが怖くて家族もベルの言いなりになってしまった事です。

 

 

まさに人間と犬の「上下関係」ができてしまっていました。犬のベルの方が、私たち人間であり飼い主を「下」に見てしまっていたんです。これは完全に私たち家族の、悪いしつけの仕方が原因でした。ただ、「可愛い」というだけで動物を飼ってはいけない見本でした。

 

 

それに気が付いた私たち家族は、どうしようかと考え少しでもベルが怒るようなら、こちらも負けずに人間の方が「上」なんだという事を分からせるようにと、散歩の時はリードを叩いて振動で「待て」や悪い事をしたら「ストップ」させるようにしました。

 

ベルもなかなか言う事を聞かず、相変わらず牙を剥いてきたのですが、それに対応すべく手を一瞬ベルの顔付近に出した瞬間に、何度か噛まれてしまった事もあります。

 

 

犬は本能的な習性なのか、噛むと牙を食い込ませながら頭を振るという行動をします。これを私は左腕と、手のひらにされてしまい、あまりの恐怖に襲われた事を今でも覚えています。私たち家族は、ベルをただ可愛いからと甘やかし、完全にしつけを間違えてしまいました。

 

百歩譲ってこれが私たち飼い主だったからまだ良かったものの、もし通行人や関係ない人に噛みついてたらと思うとゾッとします。実際に、他の人を噛んだ事はありませんでしたが、私の家は小学生や中学生の通学路の途中にあり、子供たちがよく通ってはベルを知っていて近寄ろうとしていたので、今思うと本当に何事もなくて良かったとホッとしています。

 

 

人間が言葉の通じない動物を飼うという事は、実際にとても難しいと思います。特に犬は、忠誠心のある頭の良い動物ですので、飼い主のしつけ次第ではとても賢い家族になります

 

私たち家族のように、間違ったしつけをすると犬も家族も最終的には悲しい現実になりかねません。小さい頃からしっかりとしつけをする事で、死ぬまで人間も犬も愛情あふれた関係でいられると思います。

 

これから犬を飼いたい方には、是非私たち家族のような間違ったしつけをしない、可愛いだけでは飼わない事を願います。

 

 

 
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