犬 老い 年齢

もうそんな年?犬の年齢を人間の年齢に換算してわかる犬の老化速度

 

犬のライフステージと年齢

 

「うちの子、若々しく見えるってよく言われるけど、チワワって人だと何才なんだろ?」「柴犬の6歳って人間の何歳にあたるのかな?」そう考えたことありませんか?

 

シーズー、ポメラニアン、ダックス、プードル、マルチーズといった小型犬や、ビーグル、バセットハウンド、シェルティーなどの中型犬、ラブラドル・レトリバー、シェパードなどの大型犬では、同じ年齢でも人の年齢に換算すると数字が全く違ったものとなってきます。

 

 

バセットハウンドの赤ちゃん

 

 

犬の年齢を換算する方法として、@1歳を人の17〜18歳として、以降1年ごとに4歳を加算する考え方、A1年ごとに4歳半を加算する考え方、B小型・中型犬の場合なら2歳を人の24歳として、それ以降は1年ごとに4歳を加算し、大型犬の場合なら1歳を人の12歳として、あとは1年ごとに7歳を加算す考え方など様々です。

 

 

しかし、大型犬と小・中型犬では成長速度が違います。大型犬は3歳くらいまでは小型犬や中型犬と比べて成長スピードが遅くゆっくりなのですが、それ以降はグンと早くなり追い抜いてしまいますので、上記@Aの考え方だと大型犬・超大型犬には不適切な計算の仕方となってしまいます。

 

そこで、小型犬および中型犬と大型犬それぞれの計算式を用います。

小型犬
24 +(現在の犬の年齢 -2)×4
中型犬
28 +(現在の犬の年齢 -3)×5
大型犬
12 +(現在の犬の年齢 -1)×7

 

この計算式の数字の意味ですが、計算式に基づいて作成した下の表をご覧いただきながらだとわかりやすいかと思います。小型犬は2歳以降は1年毎に4つ年齢を重ねます。中型犬なら3歳以降から5つ、大型犬なら1歳以降は7つ年齢を重ねます。

 

それぞれの計算式の中に24、28、12とありますが、これは小型犬、中型犬、大型犬が毎年コンスタントに同じ数値だけ歳を重ねるまでの年齢を人の年齢で表わしたものです。

 

 

例えば「9歳の大型犬は人だと何才?」と年齢換算する場合、上記の計算式に当てはめると、1歳から毎年7つ人間年齢が増えていくので、今現在の年齢9歳から1歳分引きます。

 

そして、7つ歳を重ねた年数分の8を掛け合わせ、最後に人の12歳にあたる(犬の1歳)12という数字を足します。つまり「12+(9-1)×7=12+56=68」で、9歳の大型犬は人の年齢だと68歳に値するということになります。

 

ライフステージ 犬の年齢 人の年齢に換算した場合
小型犬 中型犬 大型犬

幼少期
〜1才

1ヶ月齢 1歳 1歳  ―
2ヶ月齢 3歳 3歳 1歳
3ヶ月齢 5歳 5歳 2歳
6ヶ月齢 9歳 9歳 6歳
9ヶ月齢 13歳 13歳 8歳
1歳 17歳 17歳 12歳

成犬期
1才〜7才

2歳 24歳 24歳 19歳
3歳 28歳 28歳 26歳
4歳 32歳 33歳 33歳
5歳 36歳 38歳 40歳
6歳 40歳 43歳 47歳
7歳 44歳 48歳 54歳

老犬期
8才〜

8歳 48歳 53歳 61歳
9歳 52歳 58歳 68歳
10歳 56歳 63歳 75歳
11歳 60歳 68歳 82歳
12歳 64歳 73歳 89歳
13歳 68歳 78歳 96歳
14歳 72歳 83歳 103歳
15歳 76歳 88歳 110歳

 

犬のライフステージを大きく分けると、幼少期(成長期)、成犬期、老犬期の3つに分けられます。成長期はさらに授乳期、離乳期、発育期とに分けられます。

 

大型犬2歳くらいまでゆっくりと成長するので1年半〜2年までが成長期となります。また小型犬だと10か月前後中型犬だと12か月頃までが成長期にあたるので、上の表は大体の目安としてください。

 

 

ソファの上でくつろぐグレート・デン

 

 

何才からがシニア?

 

犬のシニア期って何才からだと思いますか? 成長速度が異なる小型犬と大型犬とではシニアといわれる年齢も違ってきます。だいたい7〜8才と言われますが、実年齢と実際は犬によっても違いますよね。

 

「うちのは元気溌剌で元気いっぱい」な子もいれば、「年齢的にはまだまだ若いのに、うちの犬はなんだか弱弱しい」なんて子もいます。上の表はあくまで目安なのですが、世間的にはどうなのでしょうか。

 

 

各フードメーカーがシニア用として出しているドッグフードを幾つかピックアップし、対象とされる年齢を出してみました。下の表がそうです。小型犬・中型犬だと7歳以上が、大型犬だと5才もしくは6歳からがシニアとなってます。5才でシニアとは早い気もしますね。

 

フード 対象年齢
ナチュラルハーベスト シニア 10歳以上
アカナ シニア ドッグ
アーテミス スモールブリードシニア 7歳以上
ファーストチョイス シニア 7歳以上
ユーカヌバ ラージ シニア 5歳以上
ユーカヌバ シニア用 中型犬 7歳以上
ユーカヌバ シニア用 小型犬用 7歳以上
オリジン シニア
ボッシュ シニア
ゼットプレミアム シニア
ニュートロ シニア 7歳以上
アイムス シニア 7歳以上
ヒルズ サイエンスダイエット シニア 小型犬用7歳以上、 大型犬用6歳以上
ピッコロ 7歳以上

 

このような変化が現れてきたらシニアの仲間入り

 

「後ろ肢に力が入っていないのか、歩くときフラフラしている」「段差のある所だけじゃなく、平地でもつまずくようになった」「階段を怖がって歩かない」「夜鳴きが酷くなった」

 

「一日中遠吠えのように吠え続ける」「食欲が落ちてきて、好物のおやつさえ食べなくなった」「周囲に無関心でボーっとしている」「毛ヅヤがなくてパサついてきた」

 

 

深い眠りの柴犬

 

 

年齢を重ねると、犬にも老いに伴う変化が行動や見た目に現れてきます。我が家に迎え入れたその日から、ずっと愛犬を見ているので、この老いのサインが悲しくなってきます。

 

「そういえば最近なんだかおかしい」と感じるようになったなら、今すぐにでも愛犬が快適で楽な毎日を送ることができるよう努めてあげましょう。先ずは、あなたの愛犬のどこに老いの兆候が見られるのかチェックしてみてください。

 

 

 

歩き方

歩き方に覇気がない
スタスタと歩かない
立ち上がるのに時間がかかる
足がふらつく・よく転ぶ
階段が登れない・上手く登れない・段差を嫌う
四肢に力が入らない・肢を引きずる・肢が萎えている
皮膚・被毛 白い毛が目立つ・ヒゲが白い・顔の毛が白くなってきた
毛ツヤがなくなってきた
毛がボソボソしている・パサついている
皮膚にハリ感がない
皮膚病に罹りやすくなった
フケが目立つ
毛が薄くなってきた・抜け毛がある
五感 物にぶつかりやすい
興味のあるものや動くものを目で追わない
音に対する反応が悪い
呼んでも気づかない
大好きな食べ物を前にしても無反応
目が白濁してきた
生き生きとした目をしていない・半目のよう
意欲・食欲 他の動物に関心が無くなった
大好きだった散歩に喜びを感じなくなった
食に対する興味がなくなった
食が細くなった・食餌を残すようになった
ポロポロと食べこぼすようになった
食に執着するようになった
排泄 肢を上げて排尿できなくなった
自宅内のトイレ以外の場所で排泄するようになった
排泄行為を我慢することができなくなった・おもらしするようになった
排尿回数と量が減った
排便しづらそうにしている
排便量が減った
睡眠 一人寝ができない・家族の傍で寝たがる
寝ている時間が長くなった
夜中に徘徊し、鳴き続ける
寝ている最中に起こしてもなかなか起きない
目が覚めた時に瞬膜の戻りが遅く残っている
昼夜が逆転している

 

愛犬の老いを遅らせることってできるのだろうか

 

人の場合、若い頃は「老いなんてまだまだ先のこと。今考える必要はない」と思いがちです。活力も元気も気力もみなぎって、今を楽しみ、今を一生懸命生きてますから。

 

しかし、時の流れは速いもので、「もうこの年になっちゃった?!」と気づかされることが多々あります。犬も一緒です。若くはつらつとしていても、人より早く老いに向かっているのです。

 

スパニッシュ・マスチフ

 

 

「未来に種をまこう」と誰かが言ってます。その時に備えて今からでも愛犬の老いについて考え、対策をされてみてはいかがでしょうか。犬を飼い始めてまだ日が浅い人、ある程度の年数は経っているけど、老齢というにはまだ早い年齢にある犬を飼っている人、シニア期に入ろうとしている犬を飼っている人。

 

備えあれば憂いなしです。愛犬がこの先どういった経過をたどるのか、ある程度にでも予測しておくことで、必要とされる予防や対策ができます。何ができるのだろうか? 難しいようですが、答えはシンプルです。愛犬の健康管理と食事に気をつける、ただそれだけです。

 

けれども、シンプルなだけに難しいのかもしれません。

 

常日頃から愛犬のことに気をかけておかないといけませんし、健康管理といっても守備範囲はとても広いですからね。でも、人に当てはめてみると簡単です。

 

 

定期的に健康診断を受けますよね。毎日歯を磨き、食事は可能な限り体に良いものを摂る。どこか具合が悪いところがあれば、面倒がらず積極的に病院へ行く。入浴して体と髪の毛を洗い清潔にし、髪はブラシでとかし毛を整えつつ頭皮に刺激を与える。外へ出て運動する。

 

 

あなたが毎日当たり前にやっていることを愛犬にもしてあげるのです。もちろん無理強いはダメですし、人ほど頻繁に歯磨きや入浴をする必要はありません。犬にとってストレスにならない程度がいいでしょう。

 

それに、飼い主であるあなたが負担に感じてくるようだと続かなくなってしまいます。先ずはできることから始めるのです。ケアをしてあげることで愛犬の異常の早期発見につながります。予防は治療に勝るともいいますからね。

 

 
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