犬の咬傷事故があると、メディアで取り上げられるのは殆どが中型犬や大型犬です。ある特定の犬種による咬傷事故が多く報道されると、「ああ、あの犬種は凶暴で怖いんだ」、「よくあんな怖そうな犬を飼ったもんだ」などと大多数の人が、特に犬を知らない人は思ってしまいしがちです。
でも、それって偏見なんです。ものも言いようで、ちょっとしたニュアンスの違いで捉えられ方が違ってきますし、話し手の言い方一つでその犬種が良くないようにも思えてしまいますから。
中立的な物言いをしているようでいて、実はさりげなく印象操作をしている場合もありますよ。
「〜な傾向にある」と、その犬種本来の特性・気質がありますが、犬が噛むとか噛みつくとかは、その犬(個体)の本来の性質や性格、その犬を飼っている人の犬の育て方や躾の仕方、環境に左右されるのです。
犬の扱いに長けた訓練士やトレーナー、犬のトリマーさん、獣医師、アニマルテクニシャンの方々は、やはり日頃から数多くの飼い犬を見ていることもあり、このことを良く知っておられます。
では、次からは犬の年齢や性格によって、どうして噛み付くのかみてみましょう。
「噛みつく犬」はその犬の性格と躾のされ方・育てられ方で形成される記事一覧
まだ幼いからと子犬の甘噛みをそのままにしておくと将来痛い目に
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社会化不足で噛み犬に?幼い頃に社会化ができていないと成犬は手遅れ?
子犬と異なり、成犬の噛みつきは度が過ぎると噛まれた相手の生命に関わることもあります。そのため、噛まないようにしつけることは飼い主さんの重要な役割であり責務とも言えます。成犬が噛みついてしまうのは、おもに次のような場合です。オスのホルモンの影響具合が悪い時(病気・炎症・ケガなど)に触ってしまった社会化...
飼育放棄された犬が慣れないで噛んでくるのは過去の不幸な境遇から
保護されるまで、どのような境遇にいたのでしょう。以前の飼い主はどのような人で、どんな扱いを受けたのでしょう。前の飼い主との辛い別れがあり、苦しくて悲しい思いでいるのでしょうか。保護犬は不安定な精神状態であることが多く、吠えたり、威嚇したり、噛みつきやすくなっています。ある研究で、新しい環境に移った犬...
犬が凶暴で暴れる原因はストレス、わがまま、脳の病気が考えられる
犬が凶暴になってしまうのは、長期間の強いストレス、脳の病気、凶暴に振る舞うと良いことがあると学習してしまった、などが考えられます。なかでも最も怖いのは、何の触れも見られないまま、唐突に噛みついてしまう「激怒症候群」です。脳にはセロトニンという興奮を鎮めるホルモンがあります。それが不足することで癇癪の...
犬に勘違いさせてしまうのは、飼い主の間違った愛情のかけ方が原因
愛犬、かわいいですよね。我が子同然で家族の一員です。すべてを思うままにしてあげたいし、愛情をたっぷり注いで育ててきましたよね。さて、そんな愛犬が、突然噛んできました。なぜ…?何でも愛犬の思う通りにしてあげたり、求めるものはなんでも与えてあげたい!しかし、ちょっと待ってください。そのままでは犬がわがま...