犬 外出 パニック

それって本当に分離不安ですか?

 

犬 興奮 おさまらない

 

犬への投与が各国で認定されている精神安定剤の有効成分は、クロミプラミンという抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種です。

 

 

こちらのページ(犬の分離不安症治療薬クロミカルムの効果・効能は?)でも少し書いていますが、クロミプラミンは脳内のセロトニンおよびノルアドレナリンの神経終末への取り込みを阻害する作用があるので、うつ病・うつ状態、強迫性障害、夜尿症、不眠症の治療薬に使用される他、犬の分離不安症や攻撃性の抑制、強迫性障害(常同行動、自虐行動、尻尾追いなど)、ストレス性皮膚炎などに対する治療にも使われています。

 

 

脳が興奮状態にある時、セロトニンという脳内物質が脳の興奮を鎮める働きをしますが、セロトニンの脳内濃度が下がると脳の興奮が収まり難くなってしまいます。分離不安症の犬はセロトニンの脳内濃度が低い傾向にあると言われているので、脳の興奮状態が続くことで問題行動を起こしてしまうと理解できます。そこでクロミプラミン(クロミカルム)を使用すると、セロトニンが神経細胞に吸収されるのを阻害するためセロトニンの脳内濃度が上がり、結果として分離不安の症状・行動が抑えられるということです。

 

 

が、しかしです。飼い主に置いて行かれた独りぼっち状態にある犬の、留守番中の破壊行動や無駄吠えを起こしているその脳内のセロトニン濃度が必ずしも低いというものでもないのが実際なんです。犬が興奮しやすい性質なのはその犬の生まれつきのものではなく、そこに飼い主の行動や犬に対する態度を含んだ生活環境が関わっていることを忘れてはいけません。飼い主の不在中に犬が教えていない場所で排泄をしたり、ず〜っとひたすら吠え続けていたり、家具を壊したりかじったり、飼い主の持ち物を破壊してしまうこの行為はただの問題行動であり、分離不安からくるものではありません。

 

 

本当の分離不安では、犬は飼い主の外出前から反応し始めます。飼い主が外出しようとする気配を察知すると、飼い主に対してうなったり足や服に噛みつこうとするなどの攻撃性や外出するまでの付きまといが見られたり、犬の心拍数が上昇して体が震えたり、呼吸が荒くなってよだれが出てきたり、不安からその場に失禁するなどの症状が現れてきます。他には、パニック状態に陥り飼い主が出て行ったドアを引っ掻いたり噛んだりして壊そうともします。

 

 

犬の分離不安症とただの犬の問題行動を比べると、どちらも似ていて見分けがつき難いですよね。犬の行動が分離不安によるものなのか、それとも飼い主に対する反抗的な問題行動をわざとしているのかによって改善方法も違ってきます。本当の分離不安症なら、犬の心理を読み取り行動療法を行いながら補助的に投薬を行う必要があります。反面、犬の飼い主に対する反抗的な態度による問題行動なら、それを改善するための適切な訓練を行う必要があります。

 

 

分離不安症の犬の問題行動を改善するために